小説むすび | ばいばい、バッグレディ

ばいばい、バッグレディ

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私は自分の名前が大きらい!高校2年生の相川あけびは、果物の名前をつけた非常識な父親に腹をたてていた。でもそれ以上に、自分を捨てて台湾で女優をしている母親にはもっと大きな怒りを抱いていた。いらだちながらも書道の甲子園・国際高校生選抜書展に向かってがんばろうとしていたその時ー父親がとんでもない災難を拾ってきた。汚い袋やバッグをこれでもかと抱えたホームレスの老婆を自宅マンションに連れてきたのだ。言葉づかいがばか丁寧なこの得体の知れない老婆が、父の命の恩人なんだって?言葉巧みに騙されているだけじゃないの!?いらだちが頂点に達しようとしていた時、老婆のいる部屋からふしぎな声が聞こえてきた。それは、いるはずのない子どもがキャッキャッと笑っているような声だった…。生粋のアメリカ人女性が、5年もかけて、初めからすべて日本語で書いた渾身の感動作。

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