小説むすび | もういない君が猫になって

もういない君が猫になって

もういない君が猫になって

猫にもてることが取り柄の逢沢聡史。29歳にして念願の猫専門ペットショップをオープンするが、この店でとんでもないことが起きてしまった。なんと店の猫が、亡くなった人の魂を宿し、人間の言葉を話し始めたのだ…!我が子の命の誕生とともに、最愛の妻の命を失った中村淳平、31歳。失意の底にいた彼が、まるで運命に引き寄せられるように、そのペットショップを訪れる。すると、ケージの中の美しい猫が言った。「会わせてよ。私が、命がけで産んだ娘に」-(「12月のロシアンブルー」)。別れも言えず引き裂かれ、苦しみもがく人たちに、小さな猫がほんの少しだけ時間をくれる、優しい奇跡の物語。

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