ブックのいた街
「ねぇ、聞いてよ。ブック」-住人たちはそっと秘密を打ち明ける。恋と夢に破れ故郷に戻った日本画家、初恋の人と結婚したのに寂しそうな奥さん、手の届かない素敵なひとに思いを寄せる少年、愛犬を亡くし笑顔が消えた一家、女運がない優しすぎるパン屋の元店主、占いができなくなってしまった占い師…ラブリ商店街の人々の相談相手は、アイリッシュセッターのブック。どこから来たのか、誰が名前を付けたのか、知る者はいない。でもなぜか、ブックの前だと素直になれたー“最高の友人”との忘れられない日々を描く、ぎゅっと抱きしめたくなる物語。