小説むすび | 風の裏側

風の裏側

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美しい娘ヘーローを愛した青年レアンドロスは、蝋燭の灯をたよりに彼女の許へと毎晩、海峡を泳ぎ渡った。ある夜、ヘーローの兄が船で海に出て蝋燭の灯で青年を沖へとおびき出し溺死させてしまう。古代ギリシアの悲恋物語の主人公二人は、『バザール事典』のパヴィチの手によって、現代の化学専攻の女子大生ヘーローと、17世紀の青年石工レアンドロスに生まれ変わる。二人の男女を隔てるのは、青い海ではなく、時間の海なのだろうか。鬼才パヴィチが次々に投げかける詩的謎の数々…。この本は両側から読み始められます。あなたはどちらの側からこの謎に満ちた小説に挑まれますか。

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