小説むすび | 猫

エミール七十三歳、マルグリット七十一歳。再婚同士の二人が式を挙げてから八年になるが、かれこれ四年前から言葉を交わすこともなくなった。相手の存在を痛いほど意識しながら互いに無視しあい、一つ屋根の下で際限のないゲームに飽かず興じる。理解しがたいようでいて妙に頷ける老夫婦の執念。屈折した愛と呼べなくもない二人の駆け引きは、夫が飼っていた猫の死に始まった。

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