小説むすび | 狂おしい血

狂おしい血

狂おしい血

あれから一年が過ぎた。マクレアリとは別居したまま。彼の記憶は大部分が回復したとはいえ、自分と過ごした数年間についてはまだ曖昧だ。その間の記憶が完全にもどれば、ふたりの仲はまた元どおりになる。そう信じていたときもあった。でも、男と女はそんな単純なものじゃない。それがいま、クィンには痛いほどわかっていた。もう、わたしたちは終わり…。ある日、友人夫婦からふたりにカヌー旅行の誘いがかかった。仲をとりもとうという気づかいらしい。しぶしぶ誘いを受けたクィンだったが、この旅が狂気に満ちた事件の幕開けになろうとは、知る由もなかった。シリーズ第五弾。

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