小説むすび | 愛の吐息は夜風にとけて

愛の吐息は夜風にとけて

愛の吐息は夜風にとけて

街に夜ごと現れる、謎に包まれた“セントジャイルズの亡霊”。ある晩、馬車を走らせていた貴婦人イザベルは、けがを負った“亡霊”を見つけて屋敷に連れ帰る。夜明けを待たずに姿を消した正体不明の男性に、イザベルはどこか不思議な魅力を感じた。その数日後、彼女を含む貴婦人たちが支援する孤児院の経営者で、庶民男性の心優しいウィンターを社交界入りさせるため、イザベルが指南役となる。会話やダンスの手ほどきを重ねるうちに、互いの孤独な心に気づき惹かれていく二人。しかしウィンターは、身分が高く美しいイザベルを前に自分の気持ちを押し殺していた。しかも彼には、誰にも言えない秘密があったー。レッスンの成果を試すため、二人でオペラハウスに出かけた夜、“亡霊”が現れたという噂を聞きつけたイザベルが思わずその姿を追いかけると…。

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