小説むすび | 愛を告げる天使と

愛を告げる天使と

愛を告げる天使と

男爵未亡人カッサンドラは、ある罪に問われて家を追い出され、かつての使用人たちを引き連れて困窮極まっていた。つらい過去を陰で支えてくれた家族同然の彼らを守るため、彼女に残された唯一の方法は、大金持ちの貴族の愛人になること。決意を胸に秘め、カッサンドラは招かれてもいない舞踏会をひとり訪れる。ほかの招待客がみな、悪評がつきまとうカッサンドラと距離を置こうとするなか、ハクスタブル家の長男である伯爵スティーヴンは謎めいたその女性が気にかかり、周囲の視線も気にせず彼女を誠実にもてなした。社交界でも“理想の結婚相手”として評判が高い、清廉潔白なスティーヴンは、何かに導かれるようにしてカッサンドラとそのまま一夜を過ごす。翌朝、彼女の真実を知ったスティーヴンは、「きみを守る」と宣言するが…。

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