首獲り
万延元年(1860)江戸城桜田門外の変-大老井伊直弼の暗殺が元側用人伊吹源太郎の運命を一変する。事変後1カ月余。彦根藩首脳の命令が密かに源太郎に下されたのだ。殿の敵は彼奴なり。「水戸城へ潜入いたし、水戸斉昭様の首級をしかと申しうけてまいれ。」源太郎は勇躍する。源太郎は殿かたみの短銃を懐に、桜田門外で彼に替わって死んだ供目付の妻加代と行をともにする。折りも折り、斉昭は、警戒厳重な水戸城下を離れ潮来のあやめを見に出かけるという…。-桜田門外の変その後の歴史の暗部に挑戦する傑作長編時代小説巨編!