江戸庶民の正義感と人情をしっとりと描く。第12回小説推理「新人賞」受賞作。
江戸の日本橋界隅を縄張りとする岡っ引き・市蔵は、下手人を挙げるだけでなく、事件の背景の事情にも細やかに目を向け、市井の片隅でけなげに生きる人々に温い視線を送ることを自らの務めとしているー。大型新人が、江戸庶民の暮らしぶりを丹念に職り込みつつ哀歓漂う補物帳に仕立て上げた、珠玉の連作シリーズ。第12回「小説推理」新人賞受賞作。 1994/10/15 発売