小説むすび | 聖人と学者の国

聖人と学者の国

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1916年5月、英国からのアイルランド独立を目ざしたイースター蜂起鎮圧後、その指導者ジェイムズ・コノリーは銃殺刑に処せられた。この小説は、もしコノリーが処刑されなかったなら、という想定のもとに始まる。歴史の連続体にぼっかりあけられた隙間のなかに、著者はあり得なかった架空の対話を実現する。主要登場人物は4人。まずは20世紀を代表する哲学者のヴィトゲンシュタイン、そしてかれの西アイルランド行の道連れは、ロシアの文芸学者ミハイル・バフチーンの兄ニコライ。革命家コノリー。ジョイスの小説『ユリシリーズ』の主人公、妻に駆け落ちされたレオボルド・ブルーム…。

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