天空の艦隊(3)
小沢艦隊に撃破され漂流している米空母エセックス、ラングレー2を拿捕すべく急行する日本戦艦隊。待ち受ける米第七戦艦隊の精鋭。距離3万5000メートルでの壮絶な砲撃戦。最新鋭戦艦のアイオワが一斉射撃を開始する。負けじと大和の46センチ砲九門が火を噴く。見敵必戦を信条とする日本の闘将、宇垣とリーは一歩も退かない。弾撃つ響きは時には高く、時には低くマリアナ沖に鳴りわたる。史上最大の戦艦同士の激突戦は、その後一時間あまり続いた。日本戦艦隊はからくもアイオワ、サウスダコタを撃破するが、多数の命中弾を食らった大和は戦闘不能となり、戦線を離脱していく。日本の明日をかけた若鷲たちの最終決戦の行く方は?シリーズ完結篇。
関連小説
大阪伊丹飛行場。3人の海軍中将が大空を見上げている。そこには、急上昇しながら機体を一回転させる新鋭機の力強い姿があった。ミッドウェー以降、ソロモン、南太平洋と惨敗は続き、無敵を誇ったはずの帝国海軍航空隊に、いまや真珠湾の面影はなかった。一方、アメリカは日本が形勢挽回の機会を逸している間に、「超空の要塞」ことスーパーフォートレスB-29の実戦への投入を着々と進めていた。中部太平洋にこの重爆撃機が配備されれば、日本本土は焦土と化してしまう。アメリカの攻略を阻止するためには、海軍航空隊に陸軍飛行隊を組み入れた“空の艦隊”を一刻も早く再建するしかない。残された時間はあまりに少ない。3人は再び天空を舞う、紫電改を見た。 1999/03/15 発売
世界最強の名をほしいままにする米第58機動部隊がマリアナへ近づく。昭和19年6月11日、第303航空隊は紫電改を駆って、グラマンを撃破すべく、テニアン島を飛び立った。来襲した敵機を見事に撃破した“空の艦隊”戦闘機群であったが、米攻撃隊によるマリアナ空襲は今日のみでは終わらない。明日は必ずや温存していた強力な戦闘機を繰り出してくる。テニアン地下司令室で、第一航空艦隊の情報参謀中島中佐と、航空参謀の淵田は額を寄せ合い、対応策を練る。一方、レキシントン2では司令官ミッチャー少将と同参謀長のバーク大佐が、優位に迎撃戦を進める日本軍に対して罠を仕掛けるべく、談合を続けていた。日本の航空戦力を無力化する作戦とは…。燃ゆるマリアナ上空-死力を尽くす大航空戦。 1999/05/25 発売