小説むすび | ふたり鼠

ふたり鼠

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元三島町の親分、御用聞上がりの弥八老人が、若い文士こと「私」を相手に語る昔語り。銭ならぬ硬く炒った豆のつぶてを放ち、屋根から屋根へ跳び移る大鼠を撃ち落とした初手柄が評判となり、ついた通り名は、“鉄砲の弥八”。二十年以上にわたる御用聞稼業での武勇伝は数知れない。三河町の名親分を向こうに張った功名談を、随所に江戸っ子のしゃれッ気を混ぜて描く。四話仕立てのお噺しは面白可笑しく、江戸情緒も満載。

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