小説むすび | 純真な歌姫

純真な歌姫

純真な歌姫

ヘザーが目覚めるとそこは、真っ暗な病室のベッドの上だった。歌手になる夢を抱いて耐えてきた下積みの苦労がようやく実を結び、大舞台のチャンスをつかんだ矢先に、交通事故に遭ったのだ。そのショックから、彼女は事もあろうに声が出せなくなってしまった。不安と孤独に苛まれたヘザーは、心の中で最愛の義兄の名を呼んだーコール、コール…コールさえここにいてくれたら!でも、わたしの夢に反対するコールとは、いまだに仲違いしたまま。とてつもない大富豪の彼の傲慢さは半端ではないと巷でも恐れられている。そんな彼がここへ来てくれなかったとしても、しかたがないわ…。すると病室のドアが開けられ、コールが怒りの形相で入ってきた!

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