小説むすび | 女神の誤算

女神の誤算

女神の誤算

シーリアの母は20年ものあいだ、さる大富豪の愛人だった。幼いころ、シーリアは優しい彼を本当の父にように慕っていたが、大人になった今、彼女にとってそれは恥ずべきことだった。だから、その人物が亡くなり、彼の息子リュークが訪ねてきたとき、まさか恋に落ちてしまうなんて、思いもしなかった。リュークは決して互いの親の不義の関係を蔑んだりせず、母に相応な遺産を渡そうとしてくれ、シーリアはひどく心打たれた。出会った理由がどうあれ、これは本物の愛。そう確信したとき、残酷な真実が明らかになるーリュークには、婚約者がいたのだ。私のことも、愛人候補として見ていたの?母と同じように…。

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