小説むすび | 買われた妻は没落の姫君

買われた妻は没落の姫君

買われた妻は没落の姫君

エリーは、国を追われた元大公の父のもとに駆けつけた。だが父が家族と身を寄せているのはロンドンの最高級ホテルで、エリーは訝しんだ。いま父は無一文のはずなのに、なぜ?妹によると、ギリシアの富豪レオン・デュカリスが賄っており、見返りとして、妹との結婚をほのめかしているらしい。元王女を妻にすることで、自らの成功を誇示しようというの?妹に、そんな愛のない結婚をさせるわけにはいかないー憤慨したエリーはレオンに直訴するが、彼は傲然と言い放った。「妹には興味がないよ。僕が結婚したいのは君なんだ」夜ごとの晩餐会や諸国の王族との会合で、完璧な妻を演じるー。偽りの結婚なのに、レオンの優しさや情熱を知るにつれ、エリーは次第に夫を愛し始めてしまい……。

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