小説むすび | 十二時の鐘が鳴っても

十二時の鐘が鳴っても

十二時の鐘が鳴っても

ロザリーは、清掃員をしながら病弱な母との生活を支えてきた。ところが母亡きあと、サンドロスと名乗る魅惑的な男性が現れ、故国ギリシアで成功した彼女の父親に頼まれ迎えに来たと告げた。驚きと喜びに舞いあがるロザリー。だが、初めて対面した父親は娘を温かく抱擁することもなく、サンドロスと結婚しろと命じた。彼の名家の血が欲しいからと。打ちのめされるロザリーだったが、父親の会社との合併を望むサンドロスは便宜結婚を提案してきた。半年だけ結婚すれば、離婚時に相応の手当を出す、と。ロザリーは抗えなかった。すでに彼に心を奪われていたから。

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