小説むすび | 白衣に隠した純情

白衣に隠した純情

白衣に隠した純情

両親から惜しみない愛情を受けて育ったアニカの人生は一変した。反対を押し切って看護師をめざしたとたんに家族から見放され、今は介護施設で働いて生活費を稼ぎながら実習をこなす身の上だ。唯一の心の慰めは、実習先の小児科医レイエスをひそかに眺めること。浅黒い肌に黒い髪と瞳を持つ彼には野性的な魅力がある。ある日、話がしたいとレイエスに言われて天にも昇る心地になるが、彼はすげなく告げた。「きみの兄さんから、見守るよう頼まれたんだ」レイエスにとってわたしはただの友人の妹…。アニカは意気消沈した。じつのところ、純真無垢な彼女に自分のような男はふさわしくないと、彼がどうにか気持ちを押し殺しているとも知らずに。

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