小説むすび | 公爵と疎遠の妻

公爵と疎遠の妻

公爵と疎遠の妻

この5年というもの、オリヴィアの結婚生活は灰色だった。公爵ガブリエルとの結婚1年目は甘く美しい思い出に彩られていたが、長男を産んだその日に夫が別の女性の香りを漂わせて帰宅し、彼女はショックのあまり、もう自分には指一本触れさせないと宣言した。ところが今、そろそろ予備の跡継ぎをもうけるよう義母に急かされ、オリヴィアは窮地に追い込まれたーあの日、女性と会っていた理由をいまだに説明しない彼に、再びわたしのベッドへ来てと言うなんて…。意に染まないけれどこれが公爵夫人の務めと、彼女は夫に協力を求めた。すると予想だにせぬ返答が、オリヴィアの胸を突き刺した!「うんざりする務めだが、さっさと片づけてしまうしかないな」

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