小説むすび | 幼すぎた初恋

幼すぎた初恋

幼すぎた初恋

体育館で合唱指導をしていた音楽教師のシーリアは、突如歓声をあげた生徒たちの視線の先に目を投じた。マルコム…?そこには、ずっと忘れられなかった初恋の男性の姿があった。18年前、彼女が妊娠に気づいた直後、彼は麻薬組織への関与を疑われ町から姿を消した。赤ちゃんを二人で育てる夢は儚く消え、その後今日まで、マルコムが戻ることはなかった。今や世界的ミュージシャンとなり、巨万の富を得た彼は洗練され、大人の男性の自信に満ちあふれている。そんな彼が、なぜ私に会いに来たの?とまどうシーリアに、彼は言った。ぼくと一緒に世界ツアーに同行しないか、と。

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