小説むすび | 悪魔を愛したら

悪魔を愛したら

悪魔を愛したら

大富豪ジェレミーの来訪が告げられ、イザベラは固まった。ついに契約を実行に移すときがきたというわけだ。かつてイザベラは、親もなく、貧しさのなか必死で弟を養っていた。3年前、そんな彼女が出会ったのが、ジェレミーだった。弟が独り立ちしたあとに半年間、イザベラが彼のものになるなら、経済的に援助しようとジェレミーは申し出た。藁にもすがる思いで、イザベラはその条件をのんだのだ。オフィスに入ってきた彼は相変わらずセクシーで、裕福な実業家というオーラを全身にまとっている。不安と同時に、理性に反した胸の高鳴りを覚え、イザベラは身を震わせた。

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP