小説むすび | 花嫁の持参金

花嫁の持参金

花嫁の持参金

リリスは10年暮らした修道院を出て、故郷に向かっている途中で、双子の悪童にさらわれ、見知らぬ城へと連れていかれた。理由もわからぬまま物置部屋に囚われ、リリスは困惑した。父の決めた許婚と結婚するため実家へ戻るはずが、なぜこんなことに?やがて姿を現した城の主は、ガイアの領主アレクサンダー。その大柄な美丈夫の騎士を見て、リリスは思わず身を震わせた。聞けば、リリスの故郷の川下にあるこの地では、彼女の父が上流を堰き止めたせいで、暮らしが成り立たずに領民が苦しんでいるという。くだんの上流の土地がリリスの持参金と知ったアレクサンダーは、断固として宣言した。「結論を出したー私とそなたは、結婚する!」

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