小説むすび | 伯爵に選ばれた醜いあひるの子

伯爵に選ばれた醜いあひるの子

伯爵に選ばれた醜いあひるの子

エマは家族の中の、いわゆる“醜いあひるの子”だった。姉にも妹にもやさしい父は、彼女にだけつらく当たる。だが、次期伯爵のアレックスが舞踏会で見初めたのはエマだった。美しい姉の目の前で選ばれ、彼女は驚きを抑えられなかった。アレックスから所有する豪勢なアパートメントへ誘われ、二人でめくるめく一夜を過ごす間、エマは夢の中にいる気分だった。翌朝、携帯電話に“何をしているの?”“家に顔を出しなさい”“パパはかんかんよ”と家族からメールがしつこく届くまでは。アレックスとの関係に永遠なんてないのは承知している。でも、私にはつかの間の恋をすることさえ許されないの?

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