小説むすび | 美しき奴隷

美しき奴隷

美しき奴隷

騙されて、妹が背負わされた負債をブリーはいま、清算した。部屋を出ようとしたそのとき、聞き覚えのある声が響きわたる。「勝負をしないか。賭けるのは100万ドルと、君の体だ」ブリーはその場に凍りついた。声の主がウラジミールだったから。10年前にブリーを見捨てた、魂もくらむほど美しい大富豪。彼のせいで妹と二人、奈落の底の人生を歩むことになったのだ。ところが、運命の女神はウラジミールに微笑む。わななく唇を噛みしめるブリーに、彼は皮肉な笑みを浮かべた。「これで君は僕のものだ。僕が望むあいだ、ずっと」

このエントリーをはてなブックマークに追加
TOP