百五十年前、ジョン・マンと呼ばれた日本人がいた。漂流中、アメリカ船に救出されたことで土佐の漁師、万次郎の運命は大きく変わっていく。幕末の国際人、ジョン万次郎の生涯を描く歴史ロマン。
人は一遍は死ぬけん、怖がることないきにー鰹船に乗り、命を張って富を求めようと少年は水平線を見据える。土佐・中ノ浜の貧家に生まれた彼が歩むことになる破天荒な人生を、このとき誰が予想しただろうか。時化の海での遭難、無人島漂着、捕鯨船による救出、そして異郷アメリカでの生活…時代を越えて記憶され続ける“ジョン万次郎”の壮大なドラマが今、始まろうとしている。 1996/07/01 発売