トレド風雲録
21世紀、十字軍華やかなりし時代のスペイン。キリスト教徒とイスラム教徒がイベリア半島の支配権をめぐってしのぎをけずっている。ユダヤ人イェフダ・イブン・エズラは、イスラム文化栄えるセビリャから、キリスト教勢力が支配するトレドに赴く。カスティリア王アルフォンソ8世の財政顧問として国を豊ませ、トレドに住むユダヤ人をキリスト教徒の迫害から守るには、なんとしても国内の平和を維持しなければならない。イェフダは、血気はやるアルフォンソを戦から遠ざけるため、最愛の娘ラケルを王に捧げる。可憐なラケルとアルフォンソは、7年のあいだ愛の生活にひたる。しかし英国王ヘンリーが逝去すると、スペインにはいよいよ戦雲がたれこめてくる。アルフォンソは、ラケルの愛とイェフダの知恵を捨て、イスラム勢力に戦いを挑むが…。