小説むすび | 消えた印刷職人

消えた印刷職人

消えた印刷職人

いまを去る四百年前、宗教戦争の嵐が吹きあれた16世紀末ヨーロッパ。-腕ききの印刷職人はどこへ姿をくらましたのか。本の都市リヨンで徒弟として修業をかさねた若き植字工アベルは、ジュネーヴで夢にまで見た印刷工房の親方となった。しかし、美しく奔放な妻マルゴを雇いの刷り工に寝取られ、波瀾万丈の遍歴の旅がはじまる…。本づくりに情熱をもやした一人の男の浮き沈みのはげしい生涯を追い、ルネサンス末期の出版文化をになった人びとの魅力あふれる世界を活写する、秀逸な歴史小説。

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