小説むすび | 迷惑な遺言

迷惑な遺言

迷惑な遺言

クイン・パーカー・シリーズ第2作。サンフランシスコに住むクインはセラピストという名の無職。というのも、事故による“六桁”の補償金を株に投資して大儲けしたから。家族は猫のローラとインコのオスカー。つまり独身である。親友のハンク・ウィルキーは独演が宿願の売れないコメディアン。問題は家計と芸道の両立。そのハンクに弁護士から書類がとどいた。学生時代の尊敬する友人が死に、ジャマイカ島の浜辺の家とすばらしい景観の十五エーカの土地を遺贈するという。時価五十万ドル。その日暮らしのハンクには胆をつぶすような金額であり、夢のような話だ。さっそく弁護士に電話すると、麻薬取引きのこじれによる射殺が死因という。驚いたハンクは頼りになる友人クインに同行をたのみ、結局二人はカリブ海に飛ぶ。ところが現地についてみると、二人の周辺には不気味な影がただよい、夢は悪夢と化していくのだった。

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