小説むすび | 凧

戦後フランスを代表する作家ロマン・ガリ(一九一四ー八〇)が、自殺する直前に遺した最後の長篇小説(原著一九八〇年刊)。稀代の凧揚げ名人を叔父にもつ主人公の少年リュドは、ポーランド人の令嬢リラに恋をするが、対ナチス戦によって2人は引き裂かれる。リラへの思いを募らせるリュドは、凧がふたたび自由に空を舞う日を取り戻すためにレジスタンスへと身を投じるが、それはフランス=善/ナチス=悪という図式が崩壊してゆく過程でもあった…。日本でも再評価著しい作者の遺作。

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