2014年9月発売
「既に現われているんだよ、静湖の運命の人は」飲み友達・繁蔵のよく当たる占いを胸に留めつつ、平戸藩の元藩主・松浦静山の娘・静湖姫は、独り身のままもうすぐ三十二歳。そんな折、(謎解き屋)に“開闢以来の凶事”といえる事件が舞い込む。ある巨大な藩の江戸上屋敷で、藩士百人近くの死体が見付かったのだ。調査に乗り出した静湖が辿り着いた、意外な真相とは?そして、静湖の“運命の人”とは!?大人気シリーズ、衝撃の完結巻!書き下ろし。
1971年。スペインとフランスの国境地帯バスク。この地でフランコ政権からの独立を目指し武力闘争を続ける過激派組織ETAに日本赤軍メンバー吉岡良輝が合流した。政府から存在を知られていない異邦人は組織の切り札となり、首相暗殺テロに身を投じる。しかし、ETAにはスパイが潜り込んでいた。“政府の犬”の正体を、吉岡は突き止めることができるのか!?欧州を舞台に圧倒的なスケールでおくる馳ノワールの新境地!
2005年。オリンピック元柔道スペイン代表アイトール・ヨシオカは、幼い頃に死別した父吉岡良輝がETAのテロリストだったことを知る。事故死と信じていた父はなぜ死んだのか?真相を探ろうとするが、事情を知るはずの母マリアは謎の失踪を遂げ、当時の関係者も次々と消されてゆく。両親の過去に翻弄されたアイトールが30余年の時を経て詳らかにした衝撃の真実とは?ロマン・ノワールの旗手による傑作長編サスペンス。
野郎と寝るくらいなら尼になる。そう決めているサラリーマンの久留米だが、なぜか近頃同性の友人・魚住が気になって仕方ない。距離を置くため同居を解消することに。一方、魚住のもとに、日下部という男が現れ、「あんたが兄貴を殺したんやろ?」と衝撃的な言葉を投げかける…。日下部の兄と、魚住に、かつてなにがあったのか?感情の欠落した魚住が、少しずつ知る生きる意味、幸福ーそして恋とその痛みの物語、第二巻。
中毒死事件で店を畳んだふぐ料理店。単純な食中毒かと思いきや、閉店前には立ち退かせ屋が姿を見せ、あとにできた店の支配人はつぶれた店の仲居だったことが判明。大阪府警捜査一課のふたりの刑事・黒マメコンビが巧妙に隠された真相を追うー(「てとろどときしん」)。タクシー強盗事件の意外な真実や電車内で見つかった切断された指の謎を、大阪弁の掛け合いで刑事たちが解き明かす。直木賞作家による警察小説の白眉。
江戸川区内の交番に勤務する山中のモットーは、地元の住民と仲良くすること。アパートに住む一人暮らしの老女が、大家とトラブルを起こし、追い出されそうになってしまう。見るに見かねた山中は、妻の勧めで箱根の別荘を購入し、気になっている5名の人たちを住まわせる。別荘に移った後、1人の住人が失踪。さらにもう1人いなくなり…。東京と箱根にまたがる捜査が開始され、十津川警部は、事件を追って箱根に向かう!
39歳の開業医・川辺。妻は勤務医。一見満ち足りているが、その内面には浮気する妻への嫉妬と研究者や勤務医へのコンプレックスが充満し、水曜の夜ごと昏睡レイプを繰り返している。一方、被害者女性たちは二次被害への恐怖から口を閉ざしていたがネットを通じて奇跡的に繋がり合い、川辺に迫っていくー。底なしの邪心の蠢きと破壊された女性たちの痛みと闘いを描く衝撃作。文庫オリジナルのエピローグを収録。
春祭で賑わうノルウェーの田舎町で、獣の唸り声が聞こえたかと思うと、忽然として満月が赤く呑まれ、暗闇の広場に轟音が響き渡った。人々が「ラグナロク」という言葉を囁くなか、すぐ側の屋敷では凍死体が発見される。温かな外気温にもかかわらず、わずか数十分で氷漬けにされた書斎は、北欧神話に伝わる氷狼の仕業なのか。平賀とロベルトは調査を進めるが、事件の裏にはあの男がー!?天才神父コンビの事件簿、第8弾。
西暦2109年。人間の心理・性格的傾向を数値化できるようになった未来世界。厚生省公安局刑事課に所属し、当時、“監視官”だった狡噛慎也は、“執行官”の佐々山光留と、名門女子高校・桜霜学園の生徒、桐野瞳子に出会う。常守朱が刑事課に配属される3年前、後に“標本事件”と呼ばれ、狡噛が執行官に堕ちるキッカケとなった猟奇殺人事件の真相とはー。本書でしか読むことのできない書き下ろしショートストーリーも収録。
もうひとつの京都ー「深泥丘」世界へ誘拐されてみませんか?妖しい眩暈とともに開く異界の扉。誰もいない神社の鈴が鳴り響き、甲殻類の怨念が臨界点に迫り、町では桜が狂い咲く。超音波検査で見つかる“心の闇”、霧の日に出現する謎の殺人鬼、夜に蠢く異形のモノたち…ありえざる「日常」が読者を包み戦慄させ、時には赦し解放する。ほら、もう帰れない。帰りたくないー!名手が贈る変幻自在の奇想怪談集。
ニューギニアから復員してきた金田一耕助の探偵事務所に、没落の一途を辿る名門・柳條家の息子月光が相談にやってきた。金田一は柳條家の没落を願う者が集うと言われ銀座のレストランに招待されたが、何事も起こらない。だが、月光は何者かに殺害され、金田一は等々力警部により現場に連行されてしまう。巧妙に仕組まれた罠と幾重にもはりめぐらされた謎。金田一耕助と明智小五郎、日本を代表する二大名探偵が、難事件に迫る。
はるか江戸時代の寛政年間に“守護六家”から分かれた“芳輝一派”。その攻撃を受け地下に潜った頭領・竜弦の命により、霧島涼は次期“青龍”を探すためタイに飛ぶ。一方里香も“芳輝一派”の痕跡をたどって沖縄から台湾へ。しかし彼女は敵の罠にはまり窮地に立たされる。里香を救うため敵地に向かう涼。絶体絶命のピンチを涼は切り抜けることができるのか!?アジアを舞台に壮大なスケールで描くアクション巨編第6弾!!
「おまえの命と引き換えに、願いをひとつ叶えてやろう」高校生の西崎七名子が校舎の屋上で出会ったのは、ふつうの人には見えないはずの「死神」だった。うしろー宇城霊一郎と名乗るその死神は、不思議な道具と能力で、死にゆく魂を捕獲するというのだが…。冷徹で不機嫌な死神うしろと、誰も死なせたくない七名子。どこまでも相容れないふたりの、奇妙な主従関係が始まった。感動の新世代死神ストーリー、開幕!!
「このおっさんが父さんを殺したんだ!」広島でおきた殺人事件の裁判、被害者の息子の叫びもむなしく、被告人は無罪となった。14年後、当時の裁判長が判決を誤ったと告白して殺害され、事態は再び動き出す。真実を追い求める女性弁護士、政界進出を目指す予備校講師、司法官僚の娘、14年前の被害者の息子。事件の関係者は広島に集い、衝撃の真相が明らかになる。司法格差の闇をあばく、本格社会派ミステリー!
1945年4月。二度目の本土空襲を受けた日本は、防空態勢の強化を余儀なくされた。しかし、米国は絶大なる工業力を背景に対日反攻を強化し、太平洋全域にわたる日本軍基地の同時多発攻撃を敢行。さらに、「A情報」による無線傍受で、米国が核爆弾の開発に成功したことがわかる…。ついに最終局面を迎えた連合国との大戦の行方は?そして「あずみ丸」のクルーの運命は?シリーズ堂々の完結編!
観測台から見下ろしていた見学者たちを、突然の災厄が襲った。陽子ビーム加速器が暴走し、60億ヴォルトの陽子ビームが無秩序に放射され、一瞬で観測台を焼き尽くしたのだ!たまたまその場にいた8人は、台が消滅したためにチェンバーの床へと投げ出された。やがて見学者のひとり、ジャック・ハミルトンは、病院で意識を取り戻す。だがその世界は、彼の知る現実世界とは、ほんの少し違っていた…鬼才の幻の名品登場!
“サラセン”のテロ計画は、ついにその準備を終え、実行の日が迫っていた。かすかな手がかりをつかんだ“ピルグリム”は、最後の望みをかけて“サラセン”の過去を追う。まったく姿の見えなかった敵の姿がおぼろに浮かびかけ、衝撃が“ピルグリム”を襲う。だが、計画決行までの時間は残り少ない。意を決した“ピルグリム”はついに危険極まりない賭けに出るが…雄大なスケールで驚異のマンハントを描く超大作、完結!
作家志望の青年は、新人賞に落ち続けることに絶望し、人生最後の旅に赴く。名前を棄て、家族を棄て、友人を棄て、わずかな金と数枚の黒い服、数冊の愛読書を黒いトランクに詰め込んだ。金田耕一、明田五郎、神沢恭一、星川龍一…古今の名探偵にちなんで名乗った偽名ゆえか、青年は行く先々で奇妙な事件に出会う。そして、旅が終わりを告げるかに思われた東京・信濃町のアガサ・クリスティー賞授賞式の会場でも悲劇は起きた!三沢陽一、有栖川有栖、東直己、森晶麿、青柳碧人、千街晶之、笹川吉晴等々、関係者が実名で登場する授賞パーティの最中に起きた殺人事件の真相とは?5篇収録の本格ミステリ連作集。