著者 : ミズノアユム
魔導と機械の果てなき戦争を終結させた、二人の“英雄”。“屍喰竜”クロトは獣騎兵の代表として国軍との交渉に臨み、機械の姫・ロアは財閥当主として国家の掌握に奔走していた。「俺は裏切り者だーだが、俺達はどちらの側にもつかない」「どんな障害も、わたし達のスペックで踏みつぶすんだから」再会の約束を果たすため、今は己の世界で戦い続ける二人。だが、彼らの決意を嘲笑うように、予兆は現れる。かつて荒野に果てた、英雄の少女の帰還。原因不明の無人機の暴走。そして悪夢のような『楔』の残骸ー。世界に蠢く不穏に、少年と少女は再び戦場へと向かう。力と願い、宿敵への想いを胸に。
名前のない荒野。魔導王国と機械帝国の果てなき戦争により、命が無価値に失われ続ける戦場には、二人の“最強”がいる。魔導王国の獣騎兵“屍喰竜”として戦場を蹂躙するクロト。帝国最新鋭の兵器を駆るために生み出された姫、ロア。「俺たちは相容れない。戦争の終結は屍喰竜による殲滅だけだ」「戦争を終わらせて、わたしの名を栄光と共に刻むんだから」無惨に死んだ少年兵たちの命を背負うクロトと、勝利という理想を求めるロア。戦場以外で邂逅するはずのなかった宿敵同士が出会い、彼らは知る。互いの胸に抱く願いと決意をー。銃と咆哮、存在すべてをかけて戦う少年と少女の激戦の物語。
英雄に討伐されたはずが平和な世に甦ってしまった、破戒王四天王のひとりウルズナ。彼は、自分の復活のキッカケとなった少女シアリーと共に、破戒王の遺物を探して各地を巡る。畏光の都プロセア。闇を司る四天王ヴィーヴィルに因縁の深いこの街に、求めるものがあると訪れたウルズナたち。しかし到着早々-「立ちはだかるというなら薙ぎ払って進むだけだ」「出来ると思うの?守護者である私に、この禁戒地の中で」光を食らう死線獣『硝亡』から街を守る少女カノンと諍いに。更にはヴィーヴィルを名乗るモノまで現れる。そして、破戒王すら滅ぼせなかった大いなる災厄が覚醒めー。