著者 : 上川景
皇女シャルナ。気高く、民からも慕われ、最強の魔法使いでもある彼女こそ、少年リオが仕える主にして憧れの存在だった。「彼女は、何人もの命を奪う“首切り姫”として闇堕ちします」だが未来を告げる魔本と出合った時、リオの運命は一変する。魔法を使えない彼だけが読むことができたその本には、シャルナが世界に災厄を齎す最悪の未来が記されていた。その心の闇に触れ、打破できるのは魔本を持つ自身のみ。リオは彼女を救うべく魔本の力を引き出すことで、シャルナと距離を縮めーその誰も知らない素顔を目の当たりにする。少年が少女の悲劇を覆す!ヒロイックファンタジー、開幕。
再編成された世界は、西の第二世代エクセリアが猛威を振るう凄惨な戦場へと変わり果てていた。レインたちは戸惑いながらも、亡霊の鍵を握る者“カイセイ”の手掛かりを調べ始める。一方、レインの親友アスリーもまた、偶然“悪魔の弾丸”を使用して以来、一人思い悩んでいた。消滅した人物、度重なる世界の変動、異変はどこか大切な人と繋がっているようでー。やがて彼女は、亡霊エアに問う。「あなたはーレインと何をしているの」悪魔の秘密に近づいた少女が、下した決断とはー。兵士たちの運命が動き出す、SFミリタリックファンタジー、転換点。
「戦争なき世界」を目指し、被弾者を消し去る“悪魔の弾丸”により、幾度も世界を再編成してきた、レインと亡霊エア。第二世代エクセリア試作機の輸送護衛に就いたレインは、強奪を狙う敵との戦闘の末、エアと、攻撃をしてきた敵国の亡霊デッドリムとともに雪原で孤立してしまう。さっさとデッドリムを“悪魔の弾丸”で貫き、状況を覆そうと目論むがー「私は戦争が嫌いです。この戦争を終わらせたいんです」初めて出会う理想を同じくする存在。一時休戦し、立場を外れて接近する両者だが、いずれ戦いは避けられぬ運命でー再び相まみえる時、レインが下す世界の選択とは?
機甲車が這い、弾丸魔法が降る、東国と西国の百年に及ぶ戦争。追い詰められた東の少年兵レイン・ランツは、見慣れぬ弾丸を放ち、敵将校を殺害する。-刹那、世界が一変した。戦場は通い慣れた士官学校へ切り替わり、死んだはずの級友の姿も。戸惑うレインに、弾丸を作ったという少女エアは告げる。「撃った相手を最初からいなかった世界へ再編成する“悪魔の弾丸”。このまま使いたい?」終わりなき戦場を前に、レインの決断はー「終わらせる。変えてやる。この弾丸で、全てを」世界の理を撃ち抜く、少年と少女の戦いが始まるー。第31回ファンタジア大賞“大賞”受賞のミリタリックファンタジー!