著者 : 久賀フーナ
社交界の悪の華ウェルミィ・リロウド伯爵令嬢と魔導卿ことエイデス・オルミラージュ侯爵との婚約が発表されてからしばらく。別邸で囲われていたウェルミィがついに本邸に入ることとなり、オルミラージュ侯爵夫人付き侍女の選抜試験の開催が決定した。侯爵邸内外から集められた人々の間では、これ以上ないチャンスを前に使用人としての栄転を望む者、他者を蹴落とそうと目論む者、主人の寵愛を狙う者、さまざまな思惑や噂話が飛び交っていた。ただの伯爵令嬢だった少女はたった一人で貴族の勢力図を傾けるほどの権力を掌握し、今度は侯爵家の女主人になる。今や社交界の誰もが動向を気にする存在であるウェルミィ・リロウドー彼女は一体、何者だ?書き下ろしストーリー「ヘーゼルとミザリ」を収録!
「もしかしてお市になった今なら推しと推しをくっつけられる!?」光秀×信長カプをこよなく愛する腐女子のアラサー会社員・藤芳壱子は、歴史ゲームをプレイ中に過労で倒れてしまう。気づくとそこはゲームの戦国時代で、壱子は信長の妹・お市に転生していた。推しカプの光秀と信長を間近に興奮する壱子だが、近い将来、彼らは本能寺の変という破局を迎える。そこで壱子はゲームと歴史の知識を駆使し、本能寺の変の回避を試みるが、なぜか美形な武将たちから次々と言い寄られてしまい…?
悪名を轟かす社交界の悪の華ウェルミィ。後妻の子でありながら伯爵令嬢の義姉を虐げ断罪されたことで表舞台から消息を絶っていた彼女がある日突然、社交界に舞い戻った。何故か伯爵家のリロウド姓を名乗り、隣に王太子殿下を侍らせて。しかも王太子殿下を毒牙にかけただけでは飽き足らず、魔導卿オルミラージュ侯爵や有力な貴族令息たちをも次々と誑かしているという。そんななかで王宮で開催されることになった“王太子殿下婚約披露パーティー”。そこには噂の悪女ウェルミィをはじめとする、三人の令嬢と五人の令息の姿があった。趣向を凝らした、絶望渦巻く喜劇の幕が上がる。主演は当然、ウェルミィ・リロウドー。これは悪役令嬢の矜持を賭けた妃と、とある道化の物語。書き下ろしストーリー「ウェルミィの企み」を収録!
後妻として迎えられた母とともに伯爵家の一員となった元平民のウェルミィ・エルネスト。そんな彼女は家でも貴族学校でも同い年の義姉を虐げ、後継者の地位も婚約者も奪い取り、最後には冷酷と噂される魔導卿に義姉を売り飛ばす。地味で冴えない義姉に抗う術はない。すべてはウェルミィの思うがままに。それからしばらくして、魔導卿から夜会の招待状が届く。自身の婚約者として義姉を紹介するのだろう。父母とともに夜会に参加するウェルミィだったが、赴いた先では華やかな宴…ではなく、『義姉を虐げた』として伯爵家への断罪が始まった。すべてはウェルミィの策略通りにー。これは自分が憎まれても義姉を幸せにしようと企んだ、一人の悪役令嬢の物語。書き下ろしストーリー「魔導卿と悪役令嬢、王太子とシンデレラ」を収録!
古より超常の力を継承する国家公務員“陰陽師”が、妖から人知れず人倫を守護する玲和の世。陰陽師育成機関・京都陰陽寮明學院に通う狩埜師実が遭遇するのは、陰陽術の存在を以ってしても不可解な怪事件!臓腑を喰らう妖蛇、呪詛封じの古御堂での密室殺人、継承の儀を妨げる黒い藁人形…その魔手を追うなかで、ついに師実は己が一族の宿敵と相まみえるー!謎を暴き妖魔を斬る、学園退魔ファンタジー×本格ミステリ!
なんで、いのり姉ちゃんがここにいるの?殺されたはずなのにー生方理人のもとへ現れたのは、連続殺人の犠牲になった6歳年上の幼なじみ。犯人の顔を目撃していた幽霊ー四条いのりは、連続殺人犯の逮捕への協力をただひとり彼女が視える理人に求めた。事件の酷薄な真相がすべて明らかになる時、理人の初恋に終止符を打つ、哀切なもうひとつの真実とは。