著者 : 坂上秋成
都内の高校に通う佐島ルイは学校にも家の中にも漠然とした居心地の悪さを感じていた。心を落ち着かせられるのは真夜中の歩道橋だけ。そこで、同じ学校に転校してきた卯木リョウマと出会う。彼と話している時は不思議と息苦しさが和らいだ。多分彼も同じ息苦しさを感じていたから。「俺はさ、“世界の最深部”を見てみたいんだ」彼が語る言葉はすっとルイの心に入ってくる。このまま二人でいれるなら、灰色のつまんない世界も捨てたもんじゃない、そう思えた。でもそれは、ある日リョウマが拾ってきた拳銃が一変させる。「ねえ、リョウマ。一緒に“世界の最深部”を探しにいこっか」
『私がモテないのはどう考えてもお前らが悪い!』(掲載「ガンガンONLINE」スクウェア・エニックス刊)の小説アンソロジーがまたまたなぜか星海社から刊行!当代きっての豪華小説家陣に加え、原作者・谷川ニコ自ら筆を執った『ワタモテ』愛100%なオリジナルエピソードが大集結!
教祖カセロネスに率いられた、宗教団体ファミリア。その襲撃をなんとか退けた俺たちに、ようやく日常が戻ってきた。そして俺たちは、一週間限定の学生生活を送ることになる。だが、カセロネスの魔の手は、その間にも俺たちに迫っておりー。滅びを前に、神様にすがろうとする人たちを責める権利なんてない。恐怖は消えない。正しいことをやっているなんて自信もない。俺にできることはーただ、前に進む意志を持つだけ。大事な人たちを守るために、冷たい刃で敵と向き合うだけー。こんなにも優しくない世界に残された誇りと希望の物語ー第二弾!
ー世界は終わってしまった。容赦なく終わってしまった。完璧に完全に徹頭徹尾終わってしまった。不自然に不可避に不可逆に終わってしまった。絶対に圧倒的にどうしようもなく終わってしまった。世界を世界と呼ぶ必要がなくなるほどに、終わってしまった。-それでも僕らはこの場所で、何かを信じてもがいてる。-惨めで弱くて矮小な、どこにでもいる“人間”として。これは、こんなにも優しくない世界に残された、誇りと希望の物語ー