著者 : 安曇雪伸
「シャノン兄ー引いてる引いてる!」「うるさいなお前は。魚が逃げる」「廃棄王女」として国から追われるパシフィカと彼女の「守護者」シャノン。二人に血のつながりは無いが、誰よりも強い絆で結ばれた兄妹だ。そしてそれを微笑みながら眺める義姉ラクウェル。いつも通りの口喧嘩を始める二人+一人を遠くから見ている目があった。観察者リーテ・トリジコン。危険対象である「廃棄王女」一行を観察し、国に報告するのが任務である。毎日、三兄姉妹を観察するうちに、孤独なリーテの心には不思議な感情が芽生えるようになっていた(『見つめる者』より)。旅の途中のパシフィカたちを描いた懐かしい短編3本に加え、シャノンとゼフィリスの心の絆を描いた書き下ろしも収録。
それはパシフィカが生まれるよりもずっとずっと昔。人類が銀河にその版図を広げつつあったそんな時代。ARFFI・M4 No.20・テレジア。彼女は、大事な人を目の前で亡くしたことで自分を責め続けている“竜機神”。タクロウは、かつて自分の家族を“竜機神”に殺された過去を持つ“竜騎士”候補生。二人は主従の絆を結ぶための「お見合い」で出会った。テレジアは、この「お見合い」で主を決めなければ壊されてしまう運命にあった。むしろ、彼女はそれを望んでいたが…。「化け物が!」出会い頭に暴言を吐くタクロウにテレジアは興味を抱くのだった。“竜機神”と、その主“竜騎士”の物語を描く、もう一つの「すてプリ」ここに誕生。
「行ってくるわね!」意気揚々と聖都へ向けて旅立つラクウェル。その隣には、若き“竜騎士”。この世から失われた「魔法」のシステムを復活させよとラクウェルに国から指令が来たのだ!「俺たちもついて行くぞ、こっそり」。「ひょっとしたらひょっとするし」。「何がだ…?」ラクウェルの恋話を期待して浮かれるシャノンとパシフィカ、そして、さっぱり訳がわからないゼフィリスの3人はラクウェルの恋の道行き(?)観察の旅に出ることに。咲くか!?天然魔法中毒娘・ラクウェルの恋の花!世界が本当の空を取り戻した後の世界を描く「すてプリサプリメント」第3弾!これが本当のラストシーンだ。
それはまだ、パシフィカが“廃棄王女”と呼ばれる前の物語。シャノンは早くも年寄り臭く、ラクウェルは魔法開発に明け暮れており、そして、パシフィカは口が悪いだけの普通の女の子だった頃ー。きっかけはシャノンの元に舞い込んだ1通のラブレター。カスールさんちの三兄姉妹に与えられた始めてのお仕事は、お手紙配達。手紙を届けに行くだけのはずが、何故か、自称「地獄の暗黒メイド軍団」に追われるはめに!?間抜けな名前の割に滅法強いメイドさんたち。果たして彼女たちの正体は?-って、えーと、肝心の手紙はいったい!?「スクラップド・プリンセス」のプレストーリー、まったりと登場。
16歳の誕生日を前にパシフィカは落ち着かない日を過ごしていた。それはパシフィカにとって思いもかけない誘いだったから。血を分けた双子の兄が自分に会いたがっているという。「私の双子の兄さん…。喜んでーくれるかな?喜んで…くれる…よね?」そして、ついにその日はやってきた。初めての対面に緊張しつつも嬉しそうな二人。それを見守る義兄シャノンと義姉ラクウェル。全てが穏やかな幸福感に包まれたまま終わるはずだったのに!世界がパシフィカのために用意したシナリオは、あまりにも残酷だったー。榊一郎が贈るハートフルファンタジー。超絶クライマックス。
「燃やしましょう。砕きましょう。優しい優しいパシフィカちゃんが『もうやめて』と叫び出すまで」パシフィカの行方がつかめない“秩序守護者”たちは、しびれをきらし、遂に人類への総攻撃を開始した。“竜機神”となって闘いながらシャノンは叫ぶ!未だ会えずにいる義妹の耳へ届けとばかりに!!「世界も!パシフィカも!俺にとっては何ものにも代え難いんだよ!」人類の存亡と姉兄妹の絆とを賭けた闘いの幕が、今、上がる!心揺さぶるハートフルファンタジー、いよいよクライマックス。
「絶対に生きてるはずなんだ!」混乱の中、行方不明になってしまったパシフィカを必死に捜し求めるシャノン。そんなこととは露知らず、記憶を失ったまま王都をさまようパシフィカ。そんな彼女は、どこかシャノンを思わせる風貌のフューレと出会い、彼のもとで“パメラ”として、新しい人生を生きようとしていた。パシフィカ運命の日まで、あと僅か。世界はパシフィカに何をさせようとしているのか!?今、また新たな歯車が動き出す!絶好調のハートフルファンタジー、いよいよクライマックス。
「おにーちゃんっおにーちゃんっおにーちゃんっおにーちゃんっおにーちゃんっ」-負けるもんか。シャノンは思った。惰眠を貪れる唯一の土曜日。この程度のことで屈するわけにはいかないのだ。しかし、歯をくいしばって耐えている時点で、既に目的と手段が入れ替わっているのだがー。「だらあああぁぁぁぁぁっ」「あ。おにーちゃん、おきた、おきた」妹パシフィカ四歳、兄シャノン九歳。二人のばかばかしくも激しい闘いは、こんな頃から始まっていたのだったー。カスール三姉兄妹の子供時代を描く「星空に捧ぐ祝賛歌」ほか、キダーフが主役の「処女と殺人者の小夜曲」、ラクウェル姉が大暴れする「温泉狂想曲」の書き下ろし2本を含む初めての短編集、ついに登場。
逃亡の旅の果てに隣国へとやってきたパシフィカたち。だが、その地で彼女たちを待っていたのは“獣姫”と呼ばれるはみ出し者の皇女だった。イルカ部隊を操り、抜刀術を使いこなす獣姫・セーネス。「あんたをアタシのモンにしたいんだよ」とシャノンに迫る彼女には、「世界を征服する」という大それた野望があったのだ!!三姉兄妹を己の配下に取り込み、世界を統べる秩序守護者に立ち向かうという、驚くべき計画を披露するセーネス。この獣姫は敵なのか、それとも味方なのか?人気のハートフルファンタジー、怒涛の展開をみせる第九弾。
「-あああああもうっ!苛々する!」大好物の卵料理を前にして、パシフィカは激しく不機嫌だった。というのも、朝になったにも拘わらずシャノンが帰ってこなかったから。前代未聞の出来事に、パシフィカは心配を通り越して怒りまくっているのだ。たまたま出会った占い少女には「女のところにいる」と言われ、さらに動揺。しかし、占いは悪い結果ほどよく当たるもの。なんとシャノンはその頃、美少女の元に居たのであった。このままでは姉兄妹喧嘩の嵐が吹き荒れること必至!!果たしてシャノンは無事に旅を続けることができるのか!?大人気のハートフル・ファンタジー第八弾、ここに登場。
「にょわあああああ〜」パシフィカの間抜けな悲鳴が静けさを突き破る。「あぶ、あぶあぶう」執拗にパシフィカを襲う、愛らしい顔と涎まみれのちっちゃい手。なんと、三姉兄妹は追われる身でありながら赤ちゃんを拾ってしまったのだ!!新しい家族が出来てはしゃぐパシフィカだったが、ミルクにおむつに夜泣きと、問題は山積み。さらには、子育てに疲れ果てた彼女たちの前に怪しい男たちが立ちはだかる。人買いか?はたまた新手の刺客か?子育て“ごっこ”を通して真の家族のあり方を描き出す、ハートフルファンタジー第七弾。
「だらああああああああっ、やってられるかあ、こんなもんっ!」いつになくテンションの上がりまくったシャノンの声が、ベクタの街に響く。「なんでこんな苦労をせにゃならんのだ」魔物に襲われた巡回劇団を助けるだけのはずが、何故か舞台に上がるはめになってしまったパシフィカとシャノン。夫婦漫才なら地でいけても、シリアスドラマはちと荷が重い。慣れない演技で困っているところへ、何と今度は刺客まで!?公演まであと一週間。こうなりゃヤケだ。地獄の稽古に耐え抜いて見事、舞台を成功させてみせるぜ!?榊一郎のハートフルファンタジー第六弾は、三姉兄妹の全然のんびり出来ない休日編。
傘もささずに立ちつくす少女をみかねて、シャノンは傘を手渡した。どこにでもある、ごく普通の小さな出会い。それで終わるはずだった。だがー。何を思ったか、少女はシャノンの後をついてきてしまった。シャノンと同じ黒髪黒瞳を持つ少女。自分よりも“本当の妹”らしい少女。彼女の出現に、パシフィカの心は乱れる。ささいな出来事で狂いはじめてゆく。姉兄妹の心の歯車。どんなことも互いの絆で乗り越えてきたパシフィカたちを、今最大のピンチが襲う!!榊一郎のハートフルファンタジー第5弾。魂を震わせて、またまた登場。
いつものように盗賊に囲まれたシャノン達三姉兄妹。仕方なく盗賊退治でもしようかと思ったその時、高らかに声が響いた。「婦女子を脅すなど言語道断!この僕が天に代わって成敗します!!」声の主は、白馬に跨った正義バカ・レオ。はっきり言って何の役にも立たなかったが、パシフィカに一目惚れした彼は三姉兄妹のボディガードを買って出た。果たして、正義感の固まりのようなレオがパシフィカのことを知ったらどうなるのか。彼女が世界を滅ぼす猛毒と言われる“廃棄王女”だと分かったらー。波乱の予感を含みつつ、新たな旅が始まるー。月刊ドラゴンマガジンで人気のハートフルファンタジー第4弾。
パシフィカ・カスール15歳。黙っていれば一応美少女である。だが、実は彼女は16歳になった時に世界を滅ぼすと予言された「廃棄王女」なのだった。彼女を刺客の手から護るため、シャノン達3姉兄妹は今日もあてのない旅を続けている。そんな彼らの前に、マウゼル教の異教検察官を名乗るベルケンスが現れた。卵料理をご馳走してもらい、すっかりベルケンスと意気投合するパシフィカ。しかし、彼はこの近くに「廃棄王女」が潜んでいるという噂を聞きつけてやってきたのだという。果たして、ベルケンスは新たな刺客なのか?それとも第2の「廃棄王女」がいるとでもいうのか?榊一郎のハートフルファンタジー第3弾、書き下ろしで登場。
「こンの年中無休黄昏野郎おおおーっ!」「…この性格極悪王女」旅の空に今日もシャノン達の姉兄妹喧嘩が響き渡る。流れ流れて辿り着いた辺境の町。宿代を値切ったまではよかったが、刺客に攻め込まれて宿屋は大破。おかげで修繕費を弁償するはめになってしまった。女装あり、着ぐるみあり、メイドさんあり!?の様々なバイトに精を出す3姉兄妹。しかし、そんな平和な日々は長くは続かなかった。彼らの前に再び冷酷な少年兵士クリスが立ち塞がるー。姉兄妹の絆を描くハートフルファンタジー第2弾、早くも登場。
面倒臭がり屋のシャノンといつも幸せ顔のラクウェル。2人には血の繋がらない妹・パシフィカがいた。パシフィカは、黙っていれば可愛いが、口を開けば憎まれ口ばかりの女の子だ。3人は兄姉妹としてそれなりに平和で呑気な日々を送っていた。しかし、彼らの静かな日常は父の死で一変する。パシフィカが刺客に襲われたのだ。いったい何故?彼女にどんな秘密が隠されているというのか。シャノンとラクウェルは、大切な妹を守るため、刺客と戦う決意をするがー。「ドラゴンズ・ウィル」でデビューした榊一郎が描く、新たなハートフルファンタジー、ここに開幕。