著者 : 宮田眞砂
ビブリオフィリアの乙女たちビブリオフィリアの乙女たち
図書部員の文詠は、本からそれを読んだ誰かの記憶を読み取るサイコメトリーの持ち主。彼女はいつも本が読めない幼馴染の花奏に物語を朗読し、記憶に秘められた謎を解いてもらっていた。あの日、図書館で文詠が遭遇したのは、絵本に遺された“黒いコートの男”とそれに“撃ち殺される私”を幻視した不可解な誰かの記憶。日本童話文学から次々と現れる“黒いコートの男”の正体と、それを幻視した読者は誰なのか?やがて学園で発生する、“黒いコートの男”による刺傷事件。森鴎外『舞姫』と宮沢賢治『春と修羅』を繋ぐ罪と罰の解読から、文詠と花奏は悲劇の真相へと迫るー。
夢の国から目覚めても夢の国から目覚めても
百合同人漫画の執筆に没頭する有希は、サークル「ゆゆゆり」の相方・由香に「好き」という言葉を伝えられずにいた。即売会で初めて出会った時、由香の傍らには彼氏がいた。やがて彼氏とは別れたけれど、由香がなぜ百合を描くのか、この気持ちを打ち明けても彼女は突き放さないでくれるのか、有希にはわからないままだった。レズビアンの有希とヘテロセクシュアルの由香。有希がその想いを隠すことで成立した、脆い関係の行き先はー
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