著者 : 小泉まりえ
あたし、麻生雛子。15歳の中学3年生。あたしが西田くんを好きになったのは、中1の冬。それ以来、ずっと片思いしてる。あたしが片思いから卒業するには、あたしから告白するしかない。だから、あたし、クリスマスやバレンタインのたびに、いつも告白のことを考えてた。そうして、迷ったあげく、いつも告白から逃げてばかりいた…。そして、卒業式。告白の最後のチャンス。もう迷っても、逃げる場所はないから。
あたし、上原育子。ついに夢がかなって、『現役高校生まんが家デビュー』できたんだ。夢だったまんが家にもなれて、悦郎っていうやさしい彼氏なんかもいちゃったりして、あたしってば、なんて、しあわせものなの…なんて、しあわせにひたってたんだけど、なんと、またまた、あの明日香さんが現れて、悦郎にちょっかいを出してきたんだ。あたし、ふたりのことが気になって、もうまんがも手につかなくなっちゃったよ…。
あたし、上原育子。あたしの夢は、現役高校生で、プロのまんが家デビューすること。じつは、『新人まんが賞』で佳作をとった、あたしと明日香由姫さん、ふたりのうち、ひとりだけがデビューできることになったの。絶対、夢をかなえたい。がんばるぞ-。そう思ってたのに、最近、あたしの幼なじみの彼氏、悦郎の態度が変なの。しかも、なんと、悦郎にラブレターまで届いてて…。あたし、もう不安なことだらけだよ…。
女の子は、みんな、恋愛に夢中。だけど、あたしは、愛とか恋とか、全然興味ないの。あたしの夢。それは、現役高校生でプロのまんが家としてデビューすること。だから、あたしには、恋愛してる暇なんかないんだ。今も、『少女ポプリ』の『新人まんが賞』に応募するために、原稿を描いている真っ最中。ところが、『少女ポプリ』に原稿の持ち込みをしたとき、編集さんに「好きな人をつくったほうがいい」って言われちゃったの…。
健吾とは、中学時代の3年間、ずっとずっと一緒だった。あたし、健吾のこと大好き。4月からは、別々の高校にいくことになっちゃったけど、あたしたちは大丈夫、絶対に別れない、そう思ってたんだけど…。ところが、あたし、高校で同じクラスになった椎名くんに出会った瞬間、トクトクトク…鼓動が止まらなくなっちゃったの。まさか、ひとめ惚れ?ううん、そんなはずない。あたしが好きなのは健吾だけ…。
あたし、うちの高校のセンパイ、匠くんが大好きなの。完全な片思いだけど…。そんなあたしが、なんと、東京に引っ越すことになっちゃったんだ…。このまま転校したら、匠くんと会うことすらできなくなる。だから、あたし、ありったけの勇気ふりしぼって、匠くんに告白したんだけど…、結果は、あっさりふられちゃった…失恋…。あたし、匠くんのことは、もう、きっぱり忘れるって決めた…。ところが-。
「別れてほしいって、彼女に話したよ」カズトの言葉が胸に響く。カズトのこと、信じててよかった。待っててよかった…。カズトに彼女がいること知ってて、告白しちゃったあたし。ようやく、セカンド・ガールからファースト・ガールになれて、しあわせいっぱいのはずなのに、心の中のずっと奥、不安な気持ちが、ポツンと芽を出してる。だって、セカンドのつぎは、ファーストだけど、ファーストのつぎは、別れ…。
カオルとつきあいはじめて6か月。カオルのこと大好きだけど、問題もあるのよね。だって、カオルって、デートはいつもラーメン屋さんで、ムードのかけらもないの。ところが、そんなカオルが、急にロマンチックなやさしい彼氏に変身しちゃったんだ。これで、カオルとロマンチック・クリスマスできるって、よろこんでたんだけど…。なんと、カオルのこと、ママにぜんぶばれて、大変なことになっちゃったの。
あたし、川島舞子、高校2年生。16歳。で、高杉薫は、あたしの大好きな彼。あたし、カオルとは、ずっと一緒にいたい。そして、カオルも、あたしと同じ気持ちでいてくれてる…。そう思ってたんだけど…。夏休みになってから、カオルってば、毎日バイトで、全然会ってくれないの。しかも、ひさしぶりのデートはすっぽかすし、なんのバイトをしているのかさえ教えてくれない。カオルのこと、信じていたいけど…。
あたし、川島舞子、高校2年生。16歳。で、あたしの彼の名前は、高杉薫。カオルとは、友達の紹介でつきあいはじめて、2か月とちょっと。もうそろそろ、ファーストキスかな…、なんて思ってたんだけど、なんと、あたしたち、ふたりだけで、1泊旅行にいくことになっちゃったんだ。1泊旅行だなんて…、キスどころか、それ以上にいっちゃう可能性だって大じゃない。あたし、どうしたらいいんだろう。
あたしね、小学校のときも、中学校のときも、ずっと、ずーっと、好きな人がいなかったの。両思いどころか、片思いもなし…。あたし、中村リナ。15歳。今日からピカピカの高校1年生。だけど、今どき、15歳にもなって、こんなのって、めずらしいよね。ところが。なんと、高校の入学式で、好きって思える人を見つけちゃったんだ-。あたし、15年ぶんのパワーをそそいで、がんばってアタックしまくったんだけど…。
あたし、原田詩織。今日で中学校を卒業した15歳。で、彼の名前は、中島翔太。あたしたち、クラス公認のカップルだったんだ。それなのに、翔太ってば、大切な制服の第2ボタン、ポイなんて、簡単に下級生の女の子にあげちゃったのよ。ひどいと思わない。だから、あたし、翔太のこと大好きなのに、「翔太なんか、大キライ!」って言っちゃったの。だけど、そうしたら、あたしたち、ホントにダメになっちゃったんだ…。
あたし、飯島依子。高校2年。好きな人は、同じクラスの成田薫平クン。ところが、あたし、なんと、薫平クンから、「久保田亜子サンのこと、好きなんだけど」って、相談されちゃったんだ…。でも、あたし、薫平クンのことをとられたくなくって、亜子には好きな人がいるって、ウソついちゃったの…。薫平クンの思いをじゃしたって、あたしのこと、好きになってもらえるわけでもないのに…。
あたし、奥山つかさ。高校1年。彼氏どころか、好きな人さえいないあたしは、たいくつな、たいくつな夏休みを過ごしていたんだ。そんなあたしが、親友の文香のバイト先で見かけた藤井クンっていう男の子に、なんと、ひとめぼれしちゃったの。藤井クンを紹介してもらったあたしは、思いきって告白して、OKの返事をもらったんだけど…。あたし、藤井クンが、中学時代の元彼女と一緒にいるところ、見ちゃったの…。
「あたし、康平クンのこと好きなの」千晶のセリフに、あたしは耳を疑った。康平はあたしの好きな人-彼氏だよ。千晶は、あたしの親友。千晶に好きな人ができたら、絶対協力しようって思ってた。なのに…。あたし、いったいどうしたらいいの。
あたし、立原真帆。高校1年。じつは、あたしと妹の奈美は、ふたごなんです。しかも、まるで鏡を見てるみたいにうりふたつなの。だけど、あたし、小さい頃から、ずっと、奈美になりたいって思ってた。だって、あたしは、自分に全然自信がなくて、すごく消極的なのに、奈美は、あたしとは正反対で、いつも自信満々で積極的なんだもん…。そんなあたしが、なんと、奈美と同じ人を好きになっちゃったの…。どうしよう…。
彼氏にするなら、絶対、みんなに自慢できるような、かっこいい男の子じゃなきゃイヤ。ずっとそう思っていたあたしが、高校入学早々、そんな理想どおりの彼に出会ったの。-夏目秀行クン。あたし、夢をかなえるために、がんばって告白の手紙を渡して、なんと、夏目クンからOKの返事をもらったんだ。ところが、夏目クンは、トクテーの女の子とは、つきあう気がないっていう噂が…。
晃は、あたしにとって、生まれて初めての彼氏、ふふふ。いいよね、彼氏っていう響き。ところが、最近、晃の様子がおかしいの。あたしの話にうわの空だったり、朝の待ち合わせにこなかったり、せっかくのデートに友達を連れてきたり…。まるで、あたしとふたりっきりになりたくないみたいな…晃。あたし、晃のこと、ずっと好きだからね。晃のこと、信じてるからね。晃、お願いだから、これ以上、あたしを不安にさせないで…。