1994年2月5日発売
上高地での駆け落ちから四か月。悦子さんと広也くんは、親の反対で引き裂かれたまま。そして、悦子さんは、スキー場でお見合いをさせられることになってしまったの。麻衣子たちは、それをぶちこわすため、北海道へ。バレンタインデーの熱い告白を胸に、ゲレンデはカップルでいっぱい。ところが、たいせつな記念日に、チョコレートに殺意をこめた、恐ろしい事件が待ちうけていた。雪も溶けそうな恋を、悲しみで凍らせないで。
あたし、うちの高校のセンパイ、匠くんが大好きなの。完全な片思いだけど…。そんなあたしが、なんと、東京に引っ越すことになっちゃったんだ…。このまま転校したら、匠くんと会うことすらできなくなる。だから、あたし、ありったけの勇気ふりしぼって、匠くんに告白したんだけど…、結果は、あっさりふられちゃった…失恋…。あたし、匠くんのことは、もう、きっぱり忘れるって決めた…。ところが-。
バレンタインには、告白しようって思ってたのに。大好きなサッカー部エース・祐くんは、目の前で事故…死。天国のミスで、幼なじみの日向の身代わりで死んでしまった祐。でも、日向の命を守るため、自分の命をさしだして、過酷な運命と闘う祐。今度の県大会決勝で、わがサッカー部が優勝しないと、日向の生命も。「愛する人のためなら、死んでもいい!」悲しく、せつないほんとうの純愛の物語。
「俺が、ユース日本代表選手の候補に!」思いがけない知らせに、昴の心は大きく弾む。国際大会出場-、世界へ羽ばたくための、第一歩が始まろうとしているんだ。この調子で、宿敵のSKGを、次の春高で打ち負かしてやるぞ。はりきる昴だったが、やはりSKGの誇る鉄壁のブロックは厚かった。超高校級の選手たちを相手に、青葉が丘のメンバーは全力を尽くし…。
あたしの彼、壱成くんは、サッカー部の人気者。毎日毎日、女の子にさわがれている。“彼女”のあたしとしては、とっても不安なの。本当は、ひとり占めにしたいよ。でもね、彼は、くだらない嫉妬が大嫌いだから、やきもちはやかないようにしていたの。あたしが素直になれないのは、壱成、あなたに嫌われたくないからなんだよ…。それなのに、あたしの態度、誤解されて。このままじゃ、壱成が遠くへ行っちゃう。
花林は『毎日』にタイクツしていた。どこにも居場所がない。ただ無性にムカついていた。パパもママも、だれもわかってくれない。菜月だけが唯一、よく話す友達だった。そんなとき出会ったのが、同じ高校の先輩、彬と麻生だった。花林は何かが変わるような、そんな胸騒ぎがした。そして、ふたりのペースにのせられ、夜遊びにはまっていった…。花林と菜月、彬と麻生-。四人の恋と友情の四角関係の行方は。