著者 : 愁堂れな
高校生二年生の小早志麗人は、共に暮らしていた祖父が亡くなったため、長い間疎遠になっていた叔父が所長代理を務める探偵事務所に転がり込むことに。叔父の武知は、捜査一課の刑事を辞めて、うだつのあがらない日々を過ごしていた。麗人は自分の面倒を見てくれるかわりに閑古鳥の鳴くこの事務所を繁盛させてみせると宣言し…!?頭脳明晰で絶世の美少年、生意気で毒舌の甥っ子に戸惑いながらも、武知は麗人とともに事件に挑むー!
「中禅寺…秋彦さん、ですよね?」女学生は、思い詰めたように中禅寺に一通の手紙を差し出した。これは恐らくー恋文。それからしばらくして、新聞に飛び込み自殺の記事が載る。自殺した少女の名は、登阪櫻子。恋文の送り主だった。一高では「自殺の原因は中禅寺」という噂がまことしやかに広まり、ついに学長からも事情説明を求められることに。しかし学長との面談後、中禅寺は忽然と姿を消してしまう。関口は頼れる帝王・榎木津と共に中禅寺を追うがー?彼らの友愛の、もう一つの記録。
10年続いた職場恋愛に裏切られ、退職届を出したその足でとある岬を訪れたさゆみ。寒さで行き倒れ寸前になっていたところを助けてくれたのは、近くの喫茶店のマスター・大河原だった。ごつい外見とは裏腹に優しい大河原のコーヒーで一息つくと、目に飛び込んできたのはあまりに浮き世離れした女の子。しかも大河原には見えないようで…。『そうじゃ。わらわは幽霊じゃ。』その幽霊は、千人の命を助けなければ成仏できないと言いー?一杯のコーヒーから始まる、恋と救いの物語。
生まれもった美貌をまったく活かせていない残念イケメンの三ノ宮美人。いまもブラック企業でノルマ未達成による60万円の支払いという危機にあった。ダメ元で飛び込んだ営業先で影の薄い探偵・影山と強面刑事の日高と出逢い、日高が社長に直訴してくれたことで奇跡的にブラック企業から足を洗えたのだが…次の就職先として「影山探偵事務所」を勧められ?しかも「君には『影山探偵』になってもらう」って!?それって詐欺じゃないの!?僕が探偵なら、本当の探偵・影山の役割ってー?
一高に入学するも授業についていけず、友人もできず、鬱々と過ごす関口巽。そんな彼に声を掛ける者がいた。「鬱というのは伝染するんだ。悪い芽は早い内に摘んでおくに限る」教師も一目置く同級生・中禅寺秋彦だった。子爵令息の先輩・榎木津礼二郎とも面識を持つと、関口の学校生活は順調に動き出したのだが…その榎木津が女学生を妊娠させたと謹慎処分になってしまう。真相を探る関口と中禅寺だが、肝心の女学生は行方不明になっておりー?これは、彼らの友愛の記憶。