著者 : 松藤かるり
特別に記憶力の良い瞳をもつ珠蘭は、先帝の子・劉帆とともに後宮の謎に向かい合い、不死帝の秘密を守り国家の不穏を防いできた。しかし市井では不死帝への不信感があおられ、存在しないはずの“2人目の不死帝”が街に現れー?さらに珠蘭は国家の転覆を狙う企みに巻き込まれ、後宮から攫われてしまう!彼女に迫る危機を前に、劉帆たちは黒幕の存在に迫っていくが…。一方珠蘭は、自由を奪われながらも、その瞳で“2人目の不死帝”の謎に立ち向かい、この国と大切な人々を守ろうと奮闘して…。
董珠蘭は一度見たものは忘れない。その抜群の記憶力を生かして後宮の事件を解決し、不死帝となった兄の助けとなっていた。そんな折、故郷から不漁による減税の嘆願がきたことを知る。贄姫だった自分が逃げ出したせいではないかと気にかかり、不死帝の隠し子である劉帆の視察に同行することに。しかしそこで、珠蘭と劉帆は聚落の者たちに捕らえられてしまう。そこで知ったのは、国に仇なす故郷の闇だった。偽りに満ちた後宮で、珠蘭の人を信じる行動は波紋を広げていきー後宮ミステリー待望の第二巻。
花の記憶を詠む能力ゆえに虐げられていた紅妍は、突然冷酷な皇子・秀礼により都へ連行される。彼は皇帝への呪詛を祓うため仙術師を探していた。紅妍は偽りの妃として後宮を調べることになるが、花を詠み、人の想いに触れるうち徐々に認められていく。そして秀礼の本当の優しさや国を守る強さに触れ…「秀礼様のとなりが、わたしの居場所。だから守りたい」これは不遇の少女が歴史に名を刻む皇子と幸せになるまでの物語。
特別に記憶力の良い瞳をもつ董珠蘭は、海神の贄として孤独に過ごしていた。そんな彼女の元にやってきたのが謎の青年・劉帆だった。彼女は窮地にある兄を解放する条件で劉帆に連れられ、国の中心、霞正城に。そして後宮の不穏を珠蘭の瞳で探るよう命じられる。人との触れあいに戸惑いながらも珠蘭は誠実に向き合い、後宮の盗難事件や呪いの謎に挑んでいく。その姿がしだいに劉帆や妃たちの心をも変化させ、信頼を勝ち得ていくがー?全ての謎の行き着く先は、触れてはならないこの国の根幹に関わる秘密だった。