著者 : 櫻木けい
後宮の黒猫金庫番 三(3)後宮の黒猫金庫番 三(3)
後の伝説となる「黒猫金庫番」こと蔡月花は、左遷先で「捨て猫窓際番」と呼ばれていた。事の起こりは、妃が発注した国内の名窯の磁器と西加琉王国産の磁器が取り違えられたことだった。その際、西加琉磁器の方が出来が良く、技術の流出が疑われたのだ。月花は宦官の路易と共に、西加琉王国の商館のある海雲州への潜入調査を皇帝に命じられる。けれどその直前に婚約者の偉光と喧嘩別れをしてしまい、海雲州では「皇帝の不興を買って左遷された」という噂が広まり、針のむしろの待遇でー黒猫金庫番、最大の危機!
後宮の黒猫金庫番 二(2)後宮の黒猫金庫番 二(2)
将来、後世に語り継がれる伝説の女官吏「黒猫金庫番」こと蔡月花。彼女は今猛烈に困っていた。後宮費の半減か、戸部尚書の柏偉光との結婚か。半減は厳しく、結婚はまだしたくない。追い討ちをかけるように「皇帝が月花を妃にしようとしている」という噂が流れ、妃たちから嫌がらせを受ける。そんな中、若い妃が井戸に落とされる事件が起こる。月花は容疑者にされ後宮は不穏な空気に包まれるが…。「一銭を笑うものは、一銭に泣くのよ!」降りかかる火の粉は自分で払う、黒猫金庫番の伝説は、まだ始まったばかり。
後宮の黒猫金庫番後宮の黒猫金庫番
大雅国には伝説の女官吏がいる。通称「黒猫金庫番」。華奢な体に黒い衣を纏い、琥珀に光る瞳で不正を見逃さなかったというー。将来そう呼ばれるとはつゆ知らず、蔡月花は見合い話に頭を悩ませていた。相手は若き天才、戸部尚書の柏偉光。超のつく貧乏貴族の月花とは釣り合わないし、必死に立て直した家業もやっと軌道に乗り始め、結婚はしたくなかった。断り切れず迎えた見合いの当日。月花は落ちた小銭を追って馬車から飛び降り「私、お金が大好きなんです!!」と本性を露にするも「規格外のご令嬢」と偉光に気に入られ…?
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