著者 : 水野良
“呪われた島”ロードス。戦乱に包まれたこの地も英雄達の活躍でようやく平和が訪れようとしていた。不戦を誓い合う王達であったが、時の大賢者より“誓約の宝冠”が差し出される。「この王冠を戴いた者は他国を侵略出来なくなるであろう…」-かくして、真の平和へと至ったロードスであったがその100年後、フレイムの王位継承者に禁忌を犯す者が現れる!マーモ公王の末裔ライルは、この不戦の誓いに仇なす王国に対抗すべく“永遠の乙女”の力を借りようとするのだが!?戦乱の世を駆ける王子と、伝説のハイエルフ。新たなる時代の「ロードスの騎士」を巡る冒険の旅が今、はじまる!
大陸全土を巻き込んだ戦争が終わっても、テオの戦いは続いていた。シルーカも帝国の体制を整えるため、過去の資料や逸話を紐解いていく。そこには謎多き伝説の男たちの姿があった。「今宵は、始祖君主レオンの話をしましょうー」初めて聖印を生み出し、混沌の狩人と謳われたレオン。大工房同盟を築きあげ、法による統治を目指した鉄血伯ユルゲン。聖印教会をつくった初代教皇エルネスト。彼らはそれぞれに混沌の時代の終わりを望んでいた。そして、その意志は聖印と共にテオに引き継がれ、皇帝聖印となってついに結実するー。大戦後の後日譚とともに、戦史を彩った英雄たちが語られる!
皇帝聖印の完成が現実のものとなった矢先、魔法師協会の牙が三勢力に向けられた!この暴挙に、テオは皇帝軍を編制し、協会の本拠地エーラムの制圧を決断するのだった。「明日は未来を決する戦いになる…!」そびえ立つ城壁に強力な射石砲を配した難攻不落の魔法都市に対し、シルーカの計略のもと、アレクシスの用兵が冴え渡り、マリーネの重装騎士団が破壊の聖印弾を放つ!協会もまた切り札として、巨人の王サイクロプスや吸血鬼の王を投入し、皇帝軍を蹂躙していくー混沌か、秩序か。協会の理念とテオの信念がぶつかり合う、その結末は!?
テオの説得によって覚醒し、芸術的な采配で勝利を収めた連合盟主アレクシス。同盟の勢いを止め、愛するマリーネを救うために戦乱の中に身をおいた彼に迫るのは、ノルドの君主エーリクだった。海洋王とも謳われる猛者に対し、アレクシスは圧倒的に不利なはずの海上での戦いを選び!?近づく、条約、同盟、連合の激突。その先には皇帝聖印誕生への道が開かれると誰もが予感していた。しかしー「三勢力が鼎立する今の状況は、本当の敵を利するだけだ」秩序に満ちた世を望まない者たちが暗躍を始めていたー一大戦記ファンタジー、最大の決戦にして新たな展開を迎える!
ついにアルトゥーク条約盟主となったテオ。戦争を推し進める同盟を抑えるべく、契約魔法師シルーカとともに大軍をもって戦場へと赴く。だが、同盟盟主マリーネは条約との決戦を巧みに避け、弱腰な連合への侵攻を開始するのだった。マリーネ自らが指揮するヴァルドリンド重装騎士団ら同盟の攻勢に対し敗戦を重ねる連合。内部からの離反もあり、崩壊が進む。その命運は連合盟主アレクシスの決断に委ねられー「テオ、わたしに代わって、連合盟主となってはくれないか」アレクシスからの提案に、テオが選択する決意とは。いまグランクレスト大戦の終結に向け、物語は大きく動き出す!!
ロッシーニ家の圧政からシスティナを解放したテオとシルーカ。大陸中に英雄として知られることとなったテオは、新たな夢ー幻想詩連合、大工房同盟、アルトゥーク条約の三国鼎立による戦力拮抗と大戦の終結ーに向け、歩き始める。だが、その道程に大陸最強の剣士“黒衣の太守”ミルザーが立ち塞がる。条約軍の君主たちが次々とミルザーに倒されていく中、テオとシルーカは捨て身の策を実行に移すことにー「ミルザーを倒さない限り、未来はない。覚悟はしていたさ」王道を歩むテオと覇道を征くミルザー。決して交わることのないふたつの道、ふたつの理想が、ついに戦場で重なり合う。
ロッシーニ家の三男・サルヴァドル、テオに討たれるーその報はシスティナを駆け巡り、ロッシーニ家の強固な圧政に綻びが生じ始める。ロッシーニ家が恐れるもの。それは英雄に導かれた領民たちの結集であった。反乱の芽となりうるテオを討つべく、進撃を開始したロッシーニ家の長男・ドーニ。この危機に、シルーカは起死回生の危険な“策”を提案する。システィナの覇権を賭け、ついに向かいあうテオとドーニ。兵数で勝るテオ率いる革命軍に対して、装備・練度で圧倒するドーニ率いる正規軍。テオ、ロッシーニ、それぞれの戦旗が掲げられ、いまシスティナの命運を決する戦端が開かれる!
英雄の死が大陸の歴史を動かす。テオたち連合領南部の諸国は、同盟にも連合にも見切りをつけ、軍事協定“アルトゥーク条約”を締結。同盟はヴィラールによる死を賭した抵抗に多くの戦力を失い、また占領地では遊撃隊のゲリラ戦に苦しんでいた。そして連合は、主戦派が同盟への攻勢を強めーここに、条約・同盟・連合という三大陣営による大陸分割が始まり、各地で戦いが勃発。大戦はさらに激しさを増す。テオとシルーカたちは、同盟と連合との戦いの間隙を突き、故郷へと帰還する。絶望が支配する島システィナを圧政から解放するため、テオたちの新たな、そして孤独な戦いが始まる!
テオとの戦いに敗北し、大工房同盟・盟主の威信を失ったヴァルドリンド辺境伯マリーネ。彼女は幻想詩連合の弱腰を見越して、仇敵であるアルトゥーク伯ヴィラールの命を狙う。連合の盟主・アレクシスからの和平案を蹴り、力と恐怖、そして新たな体制“選帝侯”システムをもって同盟をまとめ上げたマリーネは大軍勢を率い、アルトゥークを包囲する。アルトゥークの城代・テオの治める領地“常闇の森”にも同盟の軍勢5,000が迫る。対してテオの軍勢は僅か200。敗北必至の戦に見えたが、テオの掲げた戦旗に次々と仲間が集いー。アルトゥーク戦役を経て、大陸は再び大戦へと突入する!
邪神復活の扉であるニースは、己の運命に抗うべくバグナードに挑もうとしていた。スパークは彼女を助けようと仲間たちと同行を申し出るのだった。一方、ロードス島全土でくすぶり続けた大戦は最後の局面を迎えていた。フレイム、ヴァリスら連合軍がマーモとの決戦準備に入ったのだ。その中にはパーンとディードリットの姿があり、彼らもまた灰色の魔女との決着をつけようとしていたー長き冒険の果てに、ロードスの未来が決する!
フレイムの王城から秘宝「魂の水晶球」が奪われた。賊を取り逃し、落ち込む騎士見習いのスパークは、自由騎士パーンの助言を得て秘宝奪還の任務に燃える。早速、傭兵のギャラック、ハーフエルフのリーフ、ドワーフの司祭グリーバスら奇妙な仲間と共に賊を追跡する旅に出るのだった。その旅の途中、マーファの司祭ニースと出会う。そして彼女が背負う恐るべき運命と、ロードスが破滅に向かって動き出したことを知る。
アラニアの長引く内乱を憂えたカシュー王に「アラニア王となれ!」と焚きつけられたパーン。しかし、王の資質や在り方に疑問を持つパーンは、その答えを求めるようにロードス島南部に向かうのだった。分裂し、いまだ王位を巡って戦乱が続く連合王国モスのハイランド公国を訪れたパーンたちは、そこで最強を誇る竜騎士団をも脅かす存在を知る。それは原初の混沌の力を身に秘めた、いにしえの“炎の巨人”だったー
支配の王錫を求めて自由都市ライデンに到着したオルソン一行。早速、盗賊ギルドと手を組み、水竜エイブラが棲む島へ渡る手段を得るために海賊退治に向かう。しかし、その根城にはすでにアシュラムの一団が勢ぞろいしており!?一方、シューティングスターに敗れ、多大な被害を受けたフレイム軍。怒りに燃え、火竜山で魔竜の首を取ると決意したカシュー王と共に、パーンたちもまたライデンに早馬を走らせていた!
混沌がすべてを支配する大陸。ともに夢を追う騎士テオと魔法師シルーカの次なる戦いの地は、幻想詩連合の要衡・アルトゥーク。ここには遙か古の時代、極大混沌期の影響が色濃く残っていた。魔女、人狼、吸血鬼、そして古き災いの伝説ーアルトゥークの深く暗い森には、災いを呼び起こそうとする者、黒き魔女が密かに息づいていた。魔女は連綿と受け継がれる理想を成就させるために蠢き、連合と同盟の戦乱を利用する。「秩序の結晶“聖印”-これこそ、わたしの欲するもの」テオ、シルーカに突きつけられる真実の世界。人々の選択は、秩序か、それとも混沌か。急転の一大戦記ファンタジー!
英雄戦争から2年。その傷は癒えるどころかロードス各地の内戦はさらに混迷を深めていた。カーラの行方を求めて旅を続けるパーンとディードリットは、強力な魔法を操る魔術師の噂を聞き、砂漠の国フレイムを訪れる。そこではふたつの部族が対立し、フレイム王カシューを悩ませていた。パーンは助力を買って出るが、彼の前に恐るべき力を持つ魔神が立ちはだかり!?新たな仲間と共にパーンは苦難の戦いに挑む!
皇帝ベルド亡きあと、かつての勢いを失ったマーモ帝国。その騎士アシュラムが、絶対的権力を与えるという太守の秘宝「支配の王錫」を求めて旅を始めた。パーンはその野望を阻止すべく後を追うようにディードリットやスレインたちと冒険に出る。しかしその秘宝はロードス各地に棲む5匹の古竜のいずれかが守っているらしい。硬く巨大な体躯を持ち、強力な魔術をも駆使する伝説の古竜にパーンは立ち向かうが!?
“呪われた島ロードス”。魔神との戦いから30年、平和を取り戻し、その傷が癒えつつあるこの島に再び戦火の兆しが。ロードスの未来を憂い、武者修行の旅に出たパーンは、エルフのディードリット、魔術師スレインら仲間と共に試練に立ち向かっていく。そして戦争を操る謎の魔女の存在を知るのだが、それは大いなる運命の始まりに過ぎなかったー。25年の時を経て、名作ファンタジーが大幅加筆修正され、ここに新生!