著者 : 神戸あやか
榊原夢子。フツーの日本の、中学3年生。だけど、目の色が、ピュア・スカイ・ブルー。ほんとうは、ハーフ!?父親は、どんな人!?夏休みのロサンゼルスを舞台に、ドラマティック・ストーリー、お届けします。
14歳のトキに、「女とヤッちゃった!」てな、アホを見栄はっちまった、オレ、北沢圭は、実を言うと、いまだにA・B・C未経験の、なさけないナインティーン・ボーイ。10代のうちに、なんとかして、オトコに、なりたい!とは、思ってたんだけど…。ハタチを目前にして“未経験”のままの、圭クンと、18歳までには“捨てて”しまいたい、高3の希夢ちゃんが。アブナい出会いを、したもんだから…。ほっぺの、ゆるむ、セクシー・コメディ。
パパの転勤で、5歳にして、生まれた街、東京から、名古屋へ引っ越した、砂絵ちゃん。このたび、めでたく東京へ戻って来たのだけれど。なんと!?10年間で、どっぷり名古屋弁が、身についてまっとったんだがやっ!せっかく、モデルにスカウトされたってのに。カッコいいカメラマンの男のコにも出会って、ひと目惚れしちゃったってのに。砂絵は、考えてるコトを、うまいコトバで、口にできないんだ。どうすれば、いいの?
「子供が、オトナの思い通りに動くと信じてるとしたら、大マチガイよね、ウソよね!」こんな、あたし、柿崎有美のコトバに。「そうだよな」小山祐樹クンは、力強く、うなずいた。あいつ、マイナーな、ダンサー。あたし、駆けだしの、少女マンガ家。追っかける、夢のゴールは、違うけれど。翔びたい気持ちは、とても、とても、似ているから。-ねえ。ふたりなら、がんばって行けるよ、ね!
あたし、宇崎さやか。東京都内の、とある女子高、2年。トモダチは、みーんな、あたしのコト、うさぎって呼ぶの。苗字のせいもあるんだけど、あたしの、ぴょんぴょん、はねっかえりなイメージが、実に“ウサギ”なんだって。あたしね、モデル・クラブに、所属してるんだ。最近なんて、とあるテレビ番組に、チョイ役だけど、出演しちゃったり、して。そのとき知りあった、番組のディレクター、32歳に、あたし、恋しちゃったの!
あたし、進藤かおり。18歳、私生児。母親は、ピンク・キャバレーのホステス。在学中に男と同棲。そいつと、痛い、苦しい思いして、別れて。3年の2学期の途中で、高校中退。あたしは、ライオン。猫じゃない。あいつ、宗方達巳。19歳。何不自由のない、ぜいたく恵まれ家庭の息子で、やりたかった道、選んで、けつまずきもせず、歩いてる。だけど、あたしは、一瞬、感じる。猫だらけの街の中。あいつ、実は、ライオンだ!
あたし、水原早苗。16歳。マジメな女子校の高1。あたしんちのトナリに住んでる、ひとつ年下の、戸浦翼クンに、初恋から片想い。これがヒミツ、その1だとすると、あたしには、大きなヒミツが、もひとつ、ある。あたし、ラジオの、パーソナリティ、してるんだ。DJ、とも言う。土田稲子なんて、芸名、使って。ついでにトシも、偽って。「うきゃぴぴぴーのぷっつん切れてるオイネどんたら、あたいのコトだよよよーん!」
「しげるっ!あんたって子は、まーた、そんなカロリーの高いモン食べてっ!」トレーナーの中井さんのドナリ声が、飛んできた。あたしは、五つ目のあんまんを、のどに詰まらせて、うぐぐぐぐっと、うめいた。あたし、山崎繁留。花も恥じらう18歳の乙女よっ!あたし、女子プロレスの選手なんだ。まだ、ぜーんぜん無名なんだけど…。ある日、コピーライターの坂本隆サンと知りあったことから、あれ、あれ、あ・れ・れ!
17歳は、子供じゃない、よね?高校生が、オトナのオトコのヒトに、恋しちゃった。モテモテのスーパースター、ヒコさんと、かわゆいしのぶちゃんの、オトメチック・ラブストーリー!
あたし、進藤かおり。15歳、中3。私生児。「あのね、かおりのお母さま、ソープランドに勤めていらっしゃるんですって…」クラスメートたちの陰湿なささやきが、きょうもあたしの耳にはいってくる。そんなあたしに、ホントの強さを教えてくれたのは、幸村了だ。サトルは不良で有名だが、あたしは知っている。純な心を。サトルは教えてくれた。戦え、と。自分をいつわらず、強く、まっすぐ、生きてゆけ、と-。
あたし、佐藤美子ほど、ありふれた女のコは、ちょっといないだろう。ありふれた名前。ありふれた学歴。ありふれた家庭。もう、どこを見ても「ありふれ」だらけ。退屈で、あくびをする元気も出てきやしない。ところが、夏休みのバイト先、ハロー・ドーナツで竜崎昇に出会ったことから、あたしの運命は、大きく変わってしまった。昇たちのロックバンド“ムーン・ライツ”のボーカルに起用されたのだ。その名も-シュガー・ベイビー!