著者 : 藤実なんな
「私は人が生き抜いた末の『死』が観たい。その果てに、なにが遺るのかを」『死』を学ぶためだけに現世を旅する死神がいる。死神公女フリージア・トルストイ・ドルシュヴィーア。異世界の中でも高位な存在であり、現世の『死』を知りたいと願った彼女は、付き人である少年、“人の死期がわかる”異能を持つ黒朗夏目と、様々な人間の『死』を看取る旅をする。寿命という概念と無縁だから、人間と親しくなったことがないから気付かなかった、抗いようのない一つの事実。彼女がそのことに気付く、その刻までー旅は続く。
婚約破棄、そして精霊クリスタとの契約をきっかけに、大好きな魔宝石の鑑定士として歩み始めたオードリー。ある日、止まりがちな手巻き式懐中時計を持つ魔道具師の青年レックスの様子にオードリーは、安価な魔宝石“楔石”を魔法による改良で動力源にしてみせる。「私の計算では、一年間、ゼンマイ巻きなしで動きます」驚異の発明に、騎士団・商工会・魔道具師ギルドと、あらゆる団体から懐中時計の契約を求められる大騒ぎになってしまい!?さらには鉱山採掘から王族との交流、伝説の魔宝石に新たな精霊との出会いと、オードリーの鑑定士ライフは様々に広がっていきー。魔宝石鑑定士オードリーの自由で素敵な独立ライフ、加速中です!!
凄腕の元工作員ビクトリアは、ノンナやジェフリーたちと充実した日々を過ごしていた。そんなある日、ビクトリアは暴漢たちに追われる女性を助ける。なんとその女性は、大きな式典を控えるアシュベリー王国の王太子妃、デルフィーヌの影武者を務める予定の工作員だった。怪我を負った女性の代わりに、影武者の任務を引き受けることにしたビクトリアは、自らの意志で工作員に復帰する。一方ジェフリーは、隣国との金鉱を巡る問題の交渉に駆り出される。さらに、ノンナはひょんなことからビクトリアの任務で活躍したり、クラークとの関係を深めたりと大忙し!衰えない能力を駆使し、幸せのために暗躍するビクトリアの人生修復物語第三弾、開幕!書籍限定の番外編書き下ろしも三本収録。
ブラックな魔宝石商で働く名ばかり貴族令嬢のオードリー。父を亡くし、魔宝石の鑑定に必要な魔力も皆無で夢だった鑑定士にもなれないまま、薄給でこき使われていた。ある日彼女は、商会長で婚約者のゾルタンから婚約破棄を言い渡され、ますます職場での立場を失ってしまう。悲嘆に暮れる彼女の前に現れたのは、水晶の精霊クリスタ。なりゆきでクリスタと魔力契約を結んだオードリーだがー念願叶って魔宝石を鑑定できるようになっただけでなく、メチャクチャな威力の精霊魔法まで身につけ、一気に規格外の存在に!?(そこまではいらないんだけど…)それでもーつらい毎日はもうおしまい。好きなことをしながら、生きていける。「私は私のお気に召すまま」魔宝石鑑定士オードリーの自由で素敵な独立ライフ、始まります!
凄腕元工作員のビクトリアが、可憐な少女ノンナを保護し、本当の人生を取り戻してから5年後。シェン国での研究を終えたビクトリア一家は、アシュベリー王国に帰国して懐かしい人々と再会する。そして平穏な日々を送るビクトリアだったが、彼女はある日希少な冒険小説『失われた王冠』に隠された謎の暗号を持ち前の才能で難なく解読してしまう。その暗号は宝のありかを示しており、小説の舞台とされる地域へ行きたい気持ちに駆られるビクトリアは、自分の立場を考えて葛藤する。「君は強くて賢くて優しくて、なによりも自由な人だ。行こうよ、君が行きたい場所へ」「私がお母さんを守るから」理解のある夫ジェフリーと心強く育ったノンナの支えで、自分らしく生きることにしたビクトリアは、アシュベリー王国の秘密に迫る大冒険へ出発するがー!?最強の家族とともに、更なる幸せをつかむ人生修復物語第二弾、開幕!
遊辺高校の新入生・中里蓮は、12年前に校内で起きた神隠し事件を解明するため超常を調査する“頂上探究部”を訪れた。しかし、3人のそりの合わない同級生とともに、超常的な力によって部室に閉じ込められてしまう。この学校の七不思議をすべて解き明かさなくては、永劫にそこに囚われるーそんな警告文に続いて現れたのは、弾き手のいない三味線、鬼の造った階段、生徒を喰らうオオカミなどの、本物の超常現象。謎解き好きの少女・垣木紫苑から助手役に指名された中里は、彼女の乱暴な推理を助けながら、ありがちに思えた七不思議の裏に秘された学園の真の姿に迫っていく。誰にでも公平であろうとする少年と、誰かの特別になりたかった少女のための青春ミステリ!
各国で工作員が暗躍する時代、とある国ーハグル王国の工作員クロエは、類まれなる変装技術と体術で、難しい任務さえも次々と完遂する日々を送っていた。しかし、上司の裏切りをきっかけに彼女は組織から忽然と姿を消してしまう。なぜならクロエは、隣国アシュベリー王国の一般市民ビクトリアとして、夢に見ていた「普通」な人生をやり直す計画を立てていたのだ。そんなビクトリアはセカンドライフ初日にとある少女を保護したことで、想定外だが幸せなスタートを切り、多くの人々と関わっていく。新天地で彼女は歴史学者の助手・語学の先生とある男の脱獄補助と、工作員時代に培った経験と才能を活かして大活躍!!一方でビクトリアの強さに興味を持つ第二王子や組織の追っ手など、手札が多い彼女に対して迫る影も多くー!?アクションと心あたたまるビクトリアの人生修復物語、ここに開幕!!
人類の未来であり希望ー赤子たちが永遠に失われた終末の世界。二一四三年。彗星落下の影響で、人類全ての遺伝子情報が変質し、生殖機能の消失という未曾有の事態ー“最後の審判”が発生した。そして、人類は絶望の運命へと抗うために、古の禁忌に手を出す。『人が神に代わり人を錬奏する巧みなる技ー“錬奏技巧”』神の御業を操り、“ホムンクルス”に命を吹き込み、人ならざる新たな人類を生む科学者たち。人々は彼らを“錬奏技巧師”と呼んだ。“最後の審判”から七年後の春。錬奏技巧師見習いの東雲鏡は、五年前に死亡した大切な幼馴染の櫻花に似た少女ー白雪と出会う。出会いは偶然か、運命かー今、空白のページに物語が彩られる。