著者 : 高橋徹
ひだまりで彼女はたまに笑う。2ひだまりで彼女はたまに笑う。2
楓がなくした猫のストラップをいっしょに見つけたことをきっかけに、ふとした仕草やふいに自分に向けてくれる笑顔から楓と仲良くなれたと実感する伊織。パパラッチと呼ばれ避けられていた頃からの進展に自信を持ち、もっと楓の笑顔を見たい、あわよくば恋仲になりたい、伊織はそんな思いを募らせる。ふたりの関係を進める第一歩として、名前で呼ぶことを目標にするのだがー「…楓さん」「みゃー?」「お兄、コタロー相手に練習しなくても…」少しずつ表情豊かになってきた少女と過ごす、淡くて甘い夏が今、始まる。
ひだまりで彼女はたまに笑う。(1)ひだまりで彼女はたまに笑う。(1)
高校生活初日の朝、佐久間伊織は銀髪碧眼の少女と猫が相対している場面に遭遇する。近づく猫に対して困惑気味の少女が発する言葉はー。「こ、こっちに来ちゃだめにゃー」思わぬセリフに困惑する伊織に気づき、足早に去る少女。これが涼原楓との出会いであった。楓と同じ高校、同じクラスとなった伊織だが、楓を見ているうちに、彼女がほとんど感情を表に出さないことに気づく。だが偶然楓の笑顔を目にしたことで、伊織は心動かされー。感情の乏しい少女を笑顔にさせる、甘くも焦れったい恋の物語が幕を開ける。
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