著者 : 鶴田謙二
小説創るぜ!小説創るぜ!
「お父様。私が跡を継いで魔王となり、必ず魔群を守ってみせます!」封印刑に処された父、魔王グラデゴアに少女は強い意志を込めて告げる。「私はすでに幾つも法を犯してます。車が来ないスキに赤信号を渡ったり、レシートを道ばたにこっそり捨てたり」どこか「悪」に染まりきれない天然ピンボケ娘ーモリガナは立派な“魔王”を目指していた。父からの条件は、超エリート学校を一番の成績で卒業すること。だが、そこに待っていたのは…。モリガナの世界一ハードな学園生活が始まる!(『あしたの大魔王』より)。読者からの設定を基に描かれた中編&短編を4本収録。特別企画てんこ盛りで放つファンタジア文庫1000冊記念最強アンソロジー誕生。
刻の静寂刻の静寂
季節はもう冬を告げているというのに、この日は暖かな好天だった。あまりの気持ちよさに、のんびりベッドでごろごろ過ごすことに決めたのだった。ささやかな、ほんのひととき。リジィオは幸せを満喫していた。つかず離れず、リジィオと旅を共にするシザリオンとスティンが、行方不明になったという知らせが届くまでのーわずかの至福。ああっ、何故に?弟子を自称するシザリオンが、リジィオに黙って受けてしまった依頼。すぐに終わる見込みがはずれ、スティン共々脱出不可能の迷路に彷徨う。表題作『刻の静寂』の他、リジィオの髪の秘密に迫る『虹色の封印』など収録。待望のシリーズ第四弾。
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