憂鬱なヴィランズ(4)
『不思議の国のアリス』の読み手、如月シェリーを捕獲した月夜たちは、彼女を村瀬一郎の自宅へと連行する。しかし彼女を狙っていたのは、月夜たちだけではなかった。『天女の羽衣』の読み手、夏苅小雨による襲撃。また、新たな絵本回収者である作り手の一人“イラストレーター”の登場。村瀬家を舞台とした三つ巴の戦いの末、月夜たちは、戦力の要である一郎が敵側に寝返るという危機的局面を迎えていた…。謎多き男・村瀬一郎と、彼が捜し続ける絵本『桃太郎』。その因果関係が明らかになるとき、新たな悲劇の幕が上がる。
関連ラノベ
「それは憂鬱な結末が描かれた、決して読んではいけない残酷な絵本なんだよ」『赤ずきん』の嘘つきオオカミ、『白雪姫』のいじわる王妃、『青髭』の殺人男爵、彼ら悪役たちは“絵本”を所有した人間に取り憑き、その醜い欲望を剥きだしにするー。消えた親友、女子中学生の連続失踪と、高校生・笠木兼亮の周囲で相次ぐ異変。そして、登校中に発生したバスジャックの最中、彼は“絵本”を回収しているという蒼い目の少女・帯刀月夜と出会う…。悪役に借り受けた異能力を使い罪を犯す者と、それを阻止する者たちとの壮絶な戦いの幕が上がる。 2012/08/21 発売
放課後の校舎に突如響き渡る女生徒の悲鳴。文芸部部室にいた兼亮と千鳥が駆けつけると、その女生徒の顔にはガラスを割ったような無数の亀裂が走っていた。これは明らかに“ワーストエンド”による攻撃。正体不明の読み手から出題される“注文”をこなしながら、追撃を開始した兼亮たちだったが、時を同じくして、凶悪な“フック船長”の能力を持つ『ピーター・パン』の読み手までもが動き出す…。学校内で暗躍する新たな読み手たちと、事件の黒幕“先生”の影。そしてついに、兼亮たちは月夜の過去と、“絵本”誕生の秘密を知ることになる。 2013/06/18 発売