憂鬱なヴィランズ(5)
『金の卵を産むガチョウ』の読み手・萩原きいろを確保した兼亮たちだったが、“絵本”をばら撒いた元凶である“先生”が彼女の奪還に現れたことで事態は急転、直接対決へー。だが、幻覚を使う『ハーメルンの笛吹き男』の能力は圧倒的だった。村瀬一郎は戦闘不能となり、兼亮は『赤ずきん』のオオカミに取り憑かれるという壊滅的状況に。そして、一郎の壊されてしまった能力を目にした月夜は、“絵本”の作り手のひとり“エディター”の存在に思い至る…。最悪な結末が描かれた“絵本”と、その悪役たちの物語、ついて最終章!
関連ラノベ
「それは憂鬱な結末が描かれた、決して読んではいけない残酷な絵本なんだよ」『赤ずきん』の嘘つきオオカミ、『白雪姫』のいじわる王妃、『青髭』の殺人男爵、彼ら悪役たちは“絵本”を所有した人間に取り憑き、その醜い欲望を剥きだしにするー。消えた親友、女子中学生の連続失踪と、高校生・笠木兼亮の周囲で相次ぐ異変。そして、登校中に発生したバスジャックの最中、彼は“絵本”を回収しているという蒼い目の少女・帯刀月夜と出会う…。悪役に借り受けた異能力を使い罪を犯す者と、それを阻止する者たちとの壮絶な戦いの幕が上がる。 2012/08/21 発売
放課後の校舎に突如響き渡る女生徒の悲鳴。文芸部部室にいた兼亮と千鳥が駆けつけると、その女生徒の顔にはガラスを割ったような無数の亀裂が走っていた。これは明らかに“ワーストエンド”による攻撃。正体不明の読み手から出題される“注文”をこなしながら、追撃を開始した兼亮たちだったが、時を同じくして、凶悪な“フック船長”の能力を持つ『ピーター・パン』の読み手までもが動き出す…。学校内で暗躍する新たな読み手たちと、事件の黒幕“先生”の影。そしてついに、兼亮たちは月夜の過去と、“絵本”誕生の秘密を知ることになる。 2013/06/18 発売