むしめづる姫宮さん(3)
天文部という居場所を見つけ、変わっていく凪。それを見てもどかしく思う羽汰は美術部の門を叩く。かつてなりたかった自分。いつしか失われてしまった自信。今の自分。その距離はもう、どうしようもなく離れてしまって。体の色が変わってしまう美術部部長。とある劇に固執する二人の演劇部員。そして、どこかへ消えゆく姫宮凪ー。羽汰に憑いたメガネウラは、羽汰の何の想いに引き寄せられたのか。逃げて、逃げて、逃げたその先に答えなんてあるのだろうか。理想と現実の狭間に揺れる、ヒトと虫の魂がおりなす、とある青春の物語。
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むしめづる姫宮さんむしめづる姫宮さん
宮城県宮城郡浦上町。そこは虫の魂が漂う不思議な町。時に虫の魂は未熟な思春期の若者の魂にひきよせられ、憑いてしまう。そんなとき老人たちは告げるのだ。「山の上の姫宮さんの所に行きなさい」と。身も心も小さい有吉羽汰は、ある日突然、身の丈にあわない「おせっかい」をしてしまうようになってしまう。それを祖母に相談すると、姫宮さんのところへ行くように勧められるのだった。-だが、そこにいたのは昆虫のことが大好きなだけの、引っ込み思案の女の子で?虫と人間、五分と五分の魂が巻き起こす、ちょっと不思議な青春物語。 2019/08/21 発売