さようなら、私たちに優しくなかった、すべての人々
「姉を死に追いやった七人の人間を皆殺しにしてやりたいの」と冥は栞に言ったー。四方を山に囲まれた田舎町で、三年前、冥の姉・明里は、凄惨ないじめに遭い自ら命を絶った。その復讐のために冥はここへ戻ってきたのだ。冥は巨大な蛇の神を自分に憑かせ、超常の力を得る封印された祭儀『オカカシツツミ』を行い、神様の力を借りて栞と共に一人ずつ標的を殺していく。復讐と逃避行の日々の中で二人は恋に落ちるが、やがて力を借りた代償としての“死の運命”が冥の身に降り掛かって…。残酷で美しい青春小説。